秘密の多い後輩くんに愛されています
「急病って大丈夫なの?」
「ここに来る途中で倒れられたみたいで……今は病院に運ばれて異常もないそうですがイベントには出席できないと連絡がありました」
商品の不足に、サイン会まで中止となったらこのPRイベントは成り立たない。
このイベントの責任者は私だ。
悩んでいる暇はない。
ゆきのフーズのためにも必ず成功させる。
「確かバームクーヘンはコンビニで先行発売されてたよね。商品が届くまで近くのコンビニに置いてある分をかき集めてしのぐしかない」
「この辺にあるコンビニピックアップしました。今から皆さんに共有します」
清水さんから付近のコンビニを一度に確認できるリンクが送られてくる。
「ありがとう、清水さん」
「私もコンビニ回ってきます。舞花先輩、このイベント絶対成功させましょうね」
いつも小さく震えていた背中が今日はとても逞しく見える。
「バームクーヘンの在庫はこれでどうにかなるとして、あとはサイン会の代替えイベントを考えないと……」
「すいつ先生と同じくらい人気の人を今からブッキングするとなると厳しいですよね」
「田島くん、誰かお願いできそうな人いない?」
営業部の克樹は顔が広く、出版社にも知り合いが大勢いる。