秘密の多い後輩くんに愛されています
「今、片っ端から連絡してるけど、芸術の秋に関係する人限定となるとなかなか見つからないだろうな」
「そうだよね」
「あの……小説家の暁はどうでしょうか」
私たちが片っ端から連絡をする中で暁斗がぼそりとつぶやく。
「暁先生みたいな人気作家を今からブッキングできるわけないだろ。何? ツテでもあるのか?」
「ツテは必要ないです。俺が小説家の暁なので」
「……は?」
克樹は暁斗の言葉を聞いて呆気にとられている。
そんな克樹を無視してスマホで誰かと頻繁に連絡を取る暁斗。
「上田くん、よかったの? 皆に暁先生が上田くんだってバレても」
「はい。白鳥先輩の企画を中途半端な形で終わらせるわけにはいきませんから。俺は白鳥先輩のためならなんだってやります」
「上田くん、ありがとう……」
「編集部からの許可も下りました。サインを入れる用の小説も届けてもらえそうです」
「それじゃあ、上田くんはサイン会の準備をお願い」
「わかりました」
私は残りの社員とコンビニで購入した商品を陳列、新たに暁先生のサイン会の告知を行った。