秘密の多い後輩くんに愛されています
「はぁ〜、終わった。一時はどうなることかと思いましたよ」
「お疲れさま、清水さんが瞬時に対応してくれたおかげで商品を切らせずにすんだよ」
商品を乗せたトラックはイベント開始の一時間後に到着。
すいつ先生のサイン会の代わりに開催された暁先生のサイン会は長蛇の列を作るほどの大盛況で、PRイベントは無事に終了した。
「というか、上田があの暁先生だったことが信じられないんですけど。舞花先輩は知ってたんですか?」
「まぁ……」
「上田も早く教えてくれたらよかったのに」
「清水みたいなタイプには一番教えない」
暁斗はそう言って清水さんに缶コーヒーを手渡した。
「上田くんもお疲れさま。今日は本当にありがとう」
「いえ。初めてのサイン会で緊張しましたけど、来場者の皆さんに喜んでもらえてよかったです」
「そういえばあの大量の書籍ってどこから持ってきたの? 私からもお礼をお伝えしたいんだけど」
「ああ、それなら。あそこに」
暁斗の視線の先から歩いてきたのは、部長と……社長⁉
部長はともかく社長がどうしてここに?
私たちのイベントスペースに気づいた社長は両手を左右に大きく振る。
社長ってあんなに気さくな方だったんだ。
なんて微笑ましく思っていた次の瞬間、私は衝撃の事実を知ることになった。