引きこもり令嬢の契約婚約
(エリオット様は優しいから。私に重荷を抱えさせないようにしてくれたんだわ)
だとしたら、エリオットが抱えた重荷は、誰が軽くしてくれるのだろう。
そう思うとまた心が沈んでしまう。でも今ホワイティに望まれているのは、セアラが落ち込むことではないだろう。
(ホワイティ様は、それを伝えるために、わざわざネルちゃんに加護を与えさせたの?)
「……ホワイティ様は、私が嫌いなんじゃないんですか? ずっと姿を見せてくれなかったじゃないですか」
『嫌いよ。私からエリオットを奪う子だもの。でもね、私はエリオットの幸せが一番なの。だから、あんたにこんなところで退場されるんじゃ困るのよ』
「セアラ様? もしかして聖獣たちとお話しているの?」
セアラの様子を見て、ソフィアが怪訝そうに尋ねる。
「ソフィア様……」
助けを求めるようなセアラの必死な表情を見て、ソフィアはふうとため息をついた。
「……どうやらあなたも混乱しているようね」
『ソフィアの方が、話が早そうね。セアラ、私たちを中に入れて頂戴。話があるの』
ホワイティにもそう言われ、セアラは頷いて聖獣たちを引き入れた。
相変わらず眩しそうなネルはセアラのドレスの袖口に隠れると、こちらを見上げ、うれしそうにえへへと笑った。