引きこもり令嬢の契約婚約
『ホワイティねえさんはね、ルングレン山にいつかない私を心配して、時々様子を見に来てくれるの。言い方がきついこともあるけど、ねえさんは優しいんだよね』
「私も、ホワイティ様は優しいと思うわ。人を救おうとしてくれる方が優しくないわけないもの」
『よかった。私、ねえさんのこと大好きだから。セアラにも好きになってほしい』

 目が合って、微笑み合う。穏やかでかわいくて、ネルを見ているとものすごく癒される。

「ネルちゃんと出会えてよかった」
『へへ、わたしも』

 こんなにかわいい聖獣に好かれるのなら、自分にもなにかしらの価値はあるのだろう。

『で、これからはどうするの? セアラ』
「お父様を通して、もう一度エリオット様とお話しする機会を作ってもらおうと思う。もし、本当に婚約破棄になるとしても、お別れは自分の言葉で伝えたいし」
『ふうん、そっか。もし婚約破棄になったら、わたしと旅をしようよ。この国の景色のいいところ、いっぱい知ってるんだ』
「そっか。エリオット様にも見せたいわね。きっと喜ぶもの」

 そう言ったら、ネルはふふふと笑った。

『セアラ、やっぱりエリオットが好きなんだねぇ』

 きれいなものを、見せたい。喜んでほしい。そんな気持ちを恋だというのなら。

「……そうかも。大好きかも」
『だったら、離れちゃだめだよ。絶対ね』
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