引きこもり令嬢の契約婚約
「セアラに聖獣の加護があるのは分かった。だが、お前はどうしたいんだ?」
もはや選択肢は限られているというのに、自分の意志を確認してくれる父を、ありがたく思う。
「お父様、私、エリオット様が好きなの。だから逆に、自分では力になれない、王太子妃になるのは、もっとしっかりした人じゃなきゃって思ってた」
「セアラ……」
「でも、聖獣様が勇気をくれた。私でも、彼の為に、国の為に、できることがあるかもしれない。今はそう思えるの。だから、エリオット様が許してくれるなら、もう一度……」
話している途中にふと、父の目が潤んでいるのに気づいた。
口うるさいと思ったこともあるが、父はいつだってセアラのことを心配してくれているのだ。
「殿下はお前の為に婚約破棄を言い出したんだ。……確かに王太子妃は重責だ。だが、お前には地道に考える力がある。向き不向きで言えば、向いている方だと私は思う」
「お父様……」
シーグローヴ侯爵はゴホンと咳ばらいをすると、ぼそぼそと続けた。
「それに、私はエリオット様が王太子だから見合いをセッティングしたわけじゃない。エリオット様は穏やかで気が長く、実直さを評価してくださる方だ。……お前の長所を見てくださると、……お前が幸せになれると思ったんだ」
思えば、父は厳しいことを言っても、間違ったことは言わない。彼からの叱責にはいつも愛情があったのだ。
「ええ。ありがとう、お父様」
セアラは、父に対して初めて、素直にお礼が言えたような気がする。
もはや選択肢は限られているというのに、自分の意志を確認してくれる父を、ありがたく思う。
「お父様、私、エリオット様が好きなの。だから逆に、自分では力になれない、王太子妃になるのは、もっとしっかりした人じゃなきゃって思ってた」
「セアラ……」
「でも、聖獣様が勇気をくれた。私でも、彼の為に、国の為に、できることがあるかもしれない。今はそう思えるの。だから、エリオット様が許してくれるなら、もう一度……」
話している途中にふと、父の目が潤んでいるのに気づいた。
口うるさいと思ったこともあるが、父はいつだってセアラのことを心配してくれているのだ。
「殿下はお前の為に婚約破棄を言い出したんだ。……確かに王太子妃は重責だ。だが、お前には地道に考える力がある。向き不向きで言えば、向いている方だと私は思う」
「お父様……」
シーグローヴ侯爵はゴホンと咳ばらいをすると、ぼそぼそと続けた。
「それに、私はエリオット様が王太子だから見合いをセッティングしたわけじゃない。エリオット様は穏やかで気が長く、実直さを評価してくださる方だ。……お前の長所を見てくださると、……お前が幸せになれると思ったんだ」
思えば、父は厳しいことを言っても、間違ったことは言わない。彼からの叱責にはいつも愛情があったのだ。
「ええ。ありがとう、お父様」
セアラは、父に対して初めて、素直にお礼が言えたような気がする。