引きこもり令嬢の契約婚約
*
『来たわね、セアラ』
高いところから聞こえたのはそんな声。
見上げると、王城の二階のベランダにホワイティがとまっている。
『あっ、ねえさーん』
ネルが、セアラの袖口からぴょこりと顔をだし、すぐに『眩しーい』と言って引っ込んでいく。
(かわいくて、気取ったところが無くて。聖獣なんだろうけど、なんか親しみがあるんだよなぁ、ネルちゃんは)
おかげで、セアラとしても気負わず仲良くできるわけだが。
「シーグローヴ侯爵、セアラ、急に呼び立ててすまないね」
エントランスからエリオットの声がして、セアラは体温が一度上がった気がした。
父の背中越しに見える彼の姿は、別れを告げられた時と変わらない。
「父上との約束の時間には三十分ほどある。公爵、少し、セアラと話させてもらっても?」
「ええ。セアラ、行っておいで」
父に促され、セアラはエリオットの後についていく。彼が向かったのは二階のベランダで、そこにはホワイティが待っていた。
『こんにちは。セアラ』
「ホワイティ様、ごきげんよう」
セアラが淑女の礼をとると、エリオットはわずかに目を見開く。
「聞こえるんだ。やっぱり、本当に聖獣の加護を得たのかい?」
「はい。あの」
『初めまして、エリオット。私、ネル』
セアラのドレスの袖口からぴょこりと顔を出したネルを見て、エリオットの顔が驚きで固まる。
「す、すみません。ネルちゃんは明るいところは苦手らしくて、服の中が居心地いいそうなんです」
『まぶしいとくらくらしちゃうんだもん』
そう言うと、再び袖の中へと戻っていく。
「……くっ」
「え?」
「あ、あははっ。ごめん。笑っちゃダメなのに」
いきなりエリオットが噴き出したので、セアラはあっけにとられてしまった。
「ごめん、いや、この子。君にそっくりだなと思って」
「私は別に日光の下が駄目なわけじゃありません!」
「いやいや、前に劇場で眩しくて立ち眩みを起こしていたじゃないか」
そんなことがあっただろうか。思い出せないが、あまりにもエリオットが笑うので恥ずかしくなってきた。
『来たわね、セアラ』
高いところから聞こえたのはそんな声。
見上げると、王城の二階のベランダにホワイティがとまっている。
『あっ、ねえさーん』
ネルが、セアラの袖口からぴょこりと顔をだし、すぐに『眩しーい』と言って引っ込んでいく。
(かわいくて、気取ったところが無くて。聖獣なんだろうけど、なんか親しみがあるんだよなぁ、ネルちゃんは)
おかげで、セアラとしても気負わず仲良くできるわけだが。
「シーグローヴ侯爵、セアラ、急に呼び立ててすまないね」
エントランスからエリオットの声がして、セアラは体温が一度上がった気がした。
父の背中越しに見える彼の姿は、別れを告げられた時と変わらない。
「父上との約束の時間には三十分ほどある。公爵、少し、セアラと話させてもらっても?」
「ええ。セアラ、行っておいで」
父に促され、セアラはエリオットの後についていく。彼が向かったのは二階のベランダで、そこにはホワイティが待っていた。
『こんにちは。セアラ』
「ホワイティ様、ごきげんよう」
セアラが淑女の礼をとると、エリオットはわずかに目を見開く。
「聞こえるんだ。やっぱり、本当に聖獣の加護を得たのかい?」
「はい。あの」
『初めまして、エリオット。私、ネル』
セアラのドレスの袖口からぴょこりと顔を出したネルを見て、エリオットの顔が驚きで固まる。
「す、すみません。ネルちゃんは明るいところは苦手らしくて、服の中が居心地いいそうなんです」
『まぶしいとくらくらしちゃうんだもん』
そう言うと、再び袖の中へと戻っていく。
「……くっ」
「え?」
「あ、あははっ。ごめん。笑っちゃダメなのに」
いきなりエリオットが噴き出したので、セアラはあっけにとられてしまった。
「ごめん、いや、この子。君にそっくりだなと思って」
「私は別に日光の下が駄目なわけじゃありません!」
「いやいや、前に劇場で眩しくて立ち眩みを起こしていたじゃないか」
そんなことがあっただろうか。思い出せないが、あまりにもエリオットが笑うので恥ずかしくなってきた。