引きこもり令嬢の契約婚約
「もうっ、知りませんっ」
「ごめんごめん。……ところで、父上と謁見する前に、君の本心を聞いておきたかったんだ」
ようやく笑うのを辞めたエリオットは、続けて神妙な顔をする。
「聖獣の加護を得た君を、王家が放っておくことはないと思う。このままだと、君は僕と結婚しなければならない。まだ婚約破棄の話は、君と僕の親にしか伝えていないからね。……でも、もし本当に君が辛いなら、僕は何としてでも君を自由にするつもりだ」
セアラはエリオットの顔をじっと見ていた。彼の瞳はしっかりとセアラととえらえていて、考えながら言葉を選んで話してくれている。
(誠実な人……)
そんな風に、セアラには思えた。
これまで、セアラは自分が置かれる立場に怯えてばかりで、本当の彼に目をむけていなかったのかもしれない。傷つけないようにと慎重に紡がれる彼の言葉の裏側には、人に嫌われたくないというおびえのような感情があるのかもしれない。
(そんなところが……私は……)
「……好きです」
エリオットの表情が固まった。おそらく、思ってもみないことを言われたのだろう。
セアラだって、このタイミングで告白するつもりはなかったのに、自然と言葉があふれてしまった。
しかし一度口に出した以上、撤回するのも変だ。顔が熱くなってきた自覚はあるが、一気に続ける。
「私、エリオット様が好きです。だからこそ、私ではあなたの力になれないと思って、身を引きたいと思いました。でも今は、ネルちゃんに勇気をもらった今なら、頑張りたいって思っているんです」
エリオットはおそるおそる手を上げると、自身の頬をつねる。
「……痛い。夢じゃない?」
「本当ですよ。エリオット様は、今でも私と結婚したいと思ってくださいますか?」
「当たり前……」
勢いよく頷いたエリオットの目から、ぽろりと一滴、涙がこぼれる。
「ごめんごめん。……ところで、父上と謁見する前に、君の本心を聞いておきたかったんだ」
ようやく笑うのを辞めたエリオットは、続けて神妙な顔をする。
「聖獣の加護を得た君を、王家が放っておくことはないと思う。このままだと、君は僕と結婚しなければならない。まだ婚約破棄の話は、君と僕の親にしか伝えていないからね。……でも、もし本当に君が辛いなら、僕は何としてでも君を自由にするつもりだ」
セアラはエリオットの顔をじっと見ていた。彼の瞳はしっかりとセアラととえらえていて、考えながら言葉を選んで話してくれている。
(誠実な人……)
そんな風に、セアラには思えた。
これまで、セアラは自分が置かれる立場に怯えてばかりで、本当の彼に目をむけていなかったのかもしれない。傷つけないようにと慎重に紡がれる彼の言葉の裏側には、人に嫌われたくないというおびえのような感情があるのかもしれない。
(そんなところが……私は……)
「……好きです」
エリオットの表情が固まった。おそらく、思ってもみないことを言われたのだろう。
セアラだって、このタイミングで告白するつもりはなかったのに、自然と言葉があふれてしまった。
しかし一度口に出した以上、撤回するのも変だ。顔が熱くなってきた自覚はあるが、一気に続ける。
「私、エリオット様が好きです。だからこそ、私ではあなたの力になれないと思って、身を引きたいと思いました。でも今は、ネルちゃんに勇気をもらった今なら、頑張りたいって思っているんです」
エリオットはおそるおそる手を上げると、自身の頬をつねる。
「……痛い。夢じゃない?」
「本当ですよ。エリオット様は、今でも私と結婚したいと思ってくださいますか?」
「当たり前……」
勢いよく頷いたエリオットの目から、ぽろりと一滴、涙がこぼれる。