引きこもり令嬢の契約婚約
*
シーグローヴ侯爵家が親子で王と謁見しているという話がキャンベル公爵の許へ入ってきたのは、まもなく昼になろうという時間だった。
「ほう。ついに婚約破棄が決まるのか」
キャンベル公爵の口元が、自然に緩む。
もともと、夜会にも出てこないような引きこもりの令嬢が、王太子妃になどなれるわけがないのだ。
(オルセン侯爵令嬢ならともかく、なぜエリオット殿下はあの娘を選んだのだろうな)
キャンベル公爵からすれば、自身の娘アドレイドが彼女に劣るとは思えない。アドレイドは美人であり、成績も優秀だ。社交界でも女性の中では中心的な存在となっている。
(まあ、あの娘との婚約が破棄されれば、家格から考えてもアドレイドのもとに話が来るのは必須。悲願の王族が我が家から誕生するのだ)
キャンベル公爵は、エリオットがまとめていた資料を見直す。
「そろそろ殿下が来られる時間か。アドレイド、茶の準備はできているか」
「ええ。もちろんですわ。お父様」
今日もアドレイドは赤のドレスを着用している。顔のパーツがはっきりしているため、濃い色のドレスが似合うのだ。
「しっかり殿下をおもてなしするんだぞ」
立ち上がり、しばらく文化室の中を歩き回っていた。
やがてノックの音がして、エリオットと護衛騎士のローランド、そしてホワイティが一緒に入ってくる。
「ようこそ、殿下。ホワイティ様にもお越しいただけるとは」
「ホゥ」
「ホワイティのことは気にしないでいいよ。今日はなぜか僕から離れないんだ」
「そうでしたか、どうぞこちらに」
エリオットがソファに座り、背もたれにホワイティがとまった。ローランドは後ろに控えるように立つ。
シーグローヴ侯爵家が親子で王と謁見しているという話がキャンベル公爵の許へ入ってきたのは、まもなく昼になろうという時間だった。
「ほう。ついに婚約破棄が決まるのか」
キャンベル公爵の口元が、自然に緩む。
もともと、夜会にも出てこないような引きこもりの令嬢が、王太子妃になどなれるわけがないのだ。
(オルセン侯爵令嬢ならともかく、なぜエリオット殿下はあの娘を選んだのだろうな)
キャンベル公爵からすれば、自身の娘アドレイドが彼女に劣るとは思えない。アドレイドは美人であり、成績も優秀だ。社交界でも女性の中では中心的な存在となっている。
(まあ、あの娘との婚約が破棄されれば、家格から考えてもアドレイドのもとに話が来るのは必須。悲願の王族が我が家から誕生するのだ)
キャンベル公爵は、エリオットがまとめていた資料を見直す。
「そろそろ殿下が来られる時間か。アドレイド、茶の準備はできているか」
「ええ。もちろんですわ。お父様」
今日もアドレイドは赤のドレスを着用している。顔のパーツがはっきりしているため、濃い色のドレスが似合うのだ。
「しっかり殿下をおもてなしするんだぞ」
立ち上がり、しばらく文化室の中を歩き回っていた。
やがてノックの音がして、エリオットと護衛騎士のローランド、そしてホワイティが一緒に入ってくる。
「ようこそ、殿下。ホワイティ様にもお越しいただけるとは」
「ホゥ」
「ホワイティのことは気にしないでいいよ。今日はなぜか僕から離れないんだ」
「そうでしたか、どうぞこちらに」
エリオットがソファに座り、背もたれにホワイティがとまった。ローランドは後ろに控えるように立つ。