引きこもり令嬢の契約婚約
残されたセアラとエリオットはふたりきりだ。
「気を使われたみたいだね」
「……ですね」
エリオットはわざわざ椅子を近くに置き直す。肩が触れ合うくらいの距離に、セアラの胸は高鳴ったが、エリオットには別の意図があったようだ。
「さっきの旅行の話だけど、実は例のハーブティの調査に行きたいんだ」
「えっ?」
「ホワイティによると、お茶に使われたハーブは3種類。どれも毒性はなく、組み合わせによる洗脳効果だろうとのことだ。原因と目されるハーブは、ツルリカというらしい。オズボーン王国の西の岩場が生息地のようだ」
「さすがホワイティ様ですね。そんなところまでたった一日で」
セアラは本気で感心する。それに、ツルリカなどという植物は聞いたことがない。いったいどのような葉の形をしているのか、花は咲くのか、花弁は何枚あるのか。セアラとしても次々と疑問が湧いてくる。
「取り扱う商人の話も聞いてみたいのだが、他国が絡むから外交的に難しくてね。最も迅速に進められるやり方を取ったんだ」
「迅速に……とは?」
「僕らには聖獣がいる。ホワイティに仲介をしてもらって、直接オズボーン王国の王である義兄上と連絡を取ったんだ。洗脳効果のあるハーブについて、義兄上は危険性を感じて早速調査してくれると言ってくれた。調査結果も内密にもらえることになったんだが、その話し合いの場所として、アルドリック辺境伯家を借りることにした」
「え?」
「辺境伯とは顔見知りでね。軍人だが思慮深い方で、口が堅い。ホワイティに頼んで、密談の場を設けてくれないかと手紙を送ったら、了承の返事が来た。これで場所も状況も整ったんだが、辺境伯領に向かう無難な理由が欲しくてね」
「ああ、それで……」
国境を領土に持つアルドリッド辺境伯家に滞在したいということか。
「気を使われたみたいだね」
「……ですね」
エリオットはわざわざ椅子を近くに置き直す。肩が触れ合うくらいの距離に、セアラの胸は高鳴ったが、エリオットには別の意図があったようだ。
「さっきの旅行の話だけど、実は例のハーブティの調査に行きたいんだ」
「えっ?」
「ホワイティによると、お茶に使われたハーブは3種類。どれも毒性はなく、組み合わせによる洗脳効果だろうとのことだ。原因と目されるハーブは、ツルリカというらしい。オズボーン王国の西の岩場が生息地のようだ」
「さすがホワイティ様ですね。そんなところまでたった一日で」
セアラは本気で感心する。それに、ツルリカなどという植物は聞いたことがない。いったいどのような葉の形をしているのか、花は咲くのか、花弁は何枚あるのか。セアラとしても次々と疑問が湧いてくる。
「取り扱う商人の話も聞いてみたいのだが、他国が絡むから外交的に難しくてね。最も迅速に進められるやり方を取ったんだ」
「迅速に……とは?」
「僕らには聖獣がいる。ホワイティに仲介をしてもらって、直接オズボーン王国の王である義兄上と連絡を取ったんだ。洗脳効果のあるハーブについて、義兄上は危険性を感じて早速調査してくれると言ってくれた。調査結果も内密にもらえることになったんだが、その話し合いの場所として、アルドリック辺境伯家を借りることにした」
「え?」
「辺境伯とは顔見知りでね。軍人だが思慮深い方で、口が堅い。ホワイティに頼んで、密談の場を設けてくれないかと手紙を送ったら、了承の返事が来た。これで場所も状況も整ったんだが、辺境伯領に向かう無難な理由が欲しくてね」
「ああ、それで……」
国境を領土に持つアルドリッド辺境伯家に滞在したいということか。