引きこもり令嬢の契約婚約
「君が見つかってよかったよ」
「ええ。そう……思い出して来ました。薬を嗅がされて、意識を失ってしまったんだわ」
頭を押さえながらそう言い、少年の方を見やる。
「ねぇ、あなた。なぜ私をさらったの? ネルちゃんはどこ?」
聖獣とオスニエルに囲まれた少年は、すっかり青ざめていた。セアラの声に飛びつくように手を伸ばした。
「た、助けてくれ。食われる」
『失礼なガキだな。お前みたいなまずそうな子供を食うわけなかろう』
不満げなドルフの声に負けずとも劣らない不満げな声が、セアラの頭のすぐ上からした。
「……は? さらっておいて、自分は助けてほしいって? どの口が言っている?」
エリオットだ。言い方はやさしめだが、体中から放出される怒りのオーラが半端ない。
「まあ、待てよ。エリオット殿。所詮こいつは手駒のひとつでしかないだろ? おい、お前、いったい誰に頼まれた? 死にたくなければ正直に言った方がいい」
「ひいっ」
オスニエルは声は軽やかだが、少年の首元に剣を突き付けている。エリオットよりも怒りの感情がない分、笑顔で人殺しをしそうな空気があり、少年にはそちらの方が怖かったようだ。
「答えて。私たちはあなたのような子供を殺したいわけじゃない。でも、悪いことには罰が必要なの。罪を犯して、正しく罰せられなければ、そこからまっすぐには生きられないから」
近くで息を吸った音が聞こえた。エリオットだ。驚いたような表情で、セアラをじっと見ている。
「ええ。そう……思い出して来ました。薬を嗅がされて、意識を失ってしまったんだわ」
頭を押さえながらそう言い、少年の方を見やる。
「ねぇ、あなた。なぜ私をさらったの? ネルちゃんはどこ?」
聖獣とオスニエルに囲まれた少年は、すっかり青ざめていた。セアラの声に飛びつくように手を伸ばした。
「た、助けてくれ。食われる」
『失礼なガキだな。お前みたいなまずそうな子供を食うわけなかろう』
不満げなドルフの声に負けずとも劣らない不満げな声が、セアラの頭のすぐ上からした。
「……は? さらっておいて、自分は助けてほしいって? どの口が言っている?」
エリオットだ。言い方はやさしめだが、体中から放出される怒りのオーラが半端ない。
「まあ、待てよ。エリオット殿。所詮こいつは手駒のひとつでしかないだろ? おい、お前、いったい誰に頼まれた? 死にたくなければ正直に言った方がいい」
「ひいっ」
オスニエルは声は軽やかだが、少年の首元に剣を突き付けている。エリオットよりも怒りの感情がない分、笑顔で人殺しをしそうな空気があり、少年にはそちらの方が怖かったようだ。
「答えて。私たちはあなたのような子供を殺したいわけじゃない。でも、悪いことには罰が必要なの。罪を犯して、正しく罰せられなければ、そこからまっすぐには生きられないから」
近くで息を吸った音が聞こえた。エリオットだ。驚いたような表情で、セアラをじっと見ている。