引きこもり令嬢の契約婚約
「どうしました? エリオット様」
「いや。……君の言葉が意外だったから」
なにが意外と思われたのかわからないセアラは、首をかしげながら続けた。
「間違いを犯さない人間などいません。ですが、きちんと裁かれなければ、その罪を軽くすることはできません」
「ああ。そうだね。……義兄上、僕が話してみます」
エリオットはセアラから離れ、少年を詰問する。
少年がぽつりぽつりとこぼした内容をまとめると、彼はアルドリッド辺境伯領内にある、貧しい村の出身らしい。
「イテルの村……。聞いたことがないな。国境の村かな?」
「……戦争孤児が暮らす村だよ。自分たちで作る農作物と出稼ぎで暮らしている」
「……っ」
オスニエルが一瞬たじろぐ。エリオットも眉尻を下げて、先ほどより優しく少年に問いかけた。
「では、その村で君の親代わりになっていたのは誰なんだい?」
「親……はいない。領主様が時々来て、皆にお金をくれた。だから、誰も領主様の言うことに逆らわないんだ」
「領主様……アルドリッド辺境伯か」
戦争孤児の支援は、領地ごとに違う。国は報告された数に応じた支援金を送るだけだ。
「領主様の支援があるのに、なぜ君はこんなことを……?」
「……? 領主様に言われたんだよ。これは出稼ぎの一種で、悪い人を誘い込むのに必要だって。俺は子供の中じゃ力が強いからって」
エリオットとオスニエルが顔を見合わせる。
「いや。……君の言葉が意外だったから」
なにが意外と思われたのかわからないセアラは、首をかしげながら続けた。
「間違いを犯さない人間などいません。ですが、きちんと裁かれなければ、その罪を軽くすることはできません」
「ああ。そうだね。……義兄上、僕が話してみます」
エリオットはセアラから離れ、少年を詰問する。
少年がぽつりぽつりとこぼした内容をまとめると、彼はアルドリッド辺境伯領内にある、貧しい村の出身らしい。
「イテルの村……。聞いたことがないな。国境の村かな?」
「……戦争孤児が暮らす村だよ。自分たちで作る農作物と出稼ぎで暮らしている」
「……っ」
オスニエルが一瞬たじろぐ。エリオットも眉尻を下げて、先ほどより優しく少年に問いかけた。
「では、その村で君の親代わりになっていたのは誰なんだい?」
「親……はいない。領主様が時々来て、皆にお金をくれた。だから、誰も領主様の言うことに逆らわないんだ」
「領主様……アルドリッド辺境伯か」
戦争孤児の支援は、領地ごとに違う。国は報告された数に応じた支援金を送るだけだ。
「領主様の支援があるのに、なぜ君はこんなことを……?」
「……? 領主様に言われたんだよ。これは出稼ぎの一種で、悪い人を誘い込むのに必要だって。俺は子供の中じゃ力が強いからって」
エリオットとオスニエルが顔を見合わせる。