引きこもり令嬢の契約婚約
「おい、かわいい顔してなかなかえげつないことを考えるな、お前の婚約者」
オスニエルが大声で笑いだし、エリオットの背中をどついた。
「そ、それは思いつかなかったな……」
エリオットは若干引いているようだ。まずいことを言ってしまったかもと、セアラがふたりの反応にヒヤヒヤしていると、ドルフが笑い出した。
『はははっ、なかなか面白いことを考えるじゃないか、小娘。いいだろう。その役、俺がやってやる。俺ならば、加護を与えずとも意思の疎通くらいはできるからな』
予想外のところから援助の手が来て、セアラは色めき立つ。
「本当ですか?」
『ああ。ネルは嫌がるだろう。頑固だし』
『もうっ。勝手に決めないで。……たしかに嫌だけど』
袖口から顔を出したネルは、頬を膨らませていた。
「そうよね。ごめんね、ネルちゃん」
『いいよ……。セアラ、私がいやがると思って今まで口に出さなかったんでしょ』
ネルはひょこひょこと腕を駆け上がってきて、セアラの首のあたりに頭をこすりつける。
『でもわたし、セアラ以外に加護を与えるのは嫌だよ。それが悪党をやっつけるためでも』
胸の奥がくすぐられたような気がして、不思議と温かくなる。
自分じゃなければ駄目だと思われているなんて、なんてうれしいことだろう。
「大好きよ、ネルちゃん」
『わたしもよ。セアラ』
聖獣が自分を好きになってくれた。そんな奇跡に、改めて感謝する。
やがて、ホワイティが慌てた様子で戻ってくる。
『ねぇ。大変! 国境の森で火災が起きているわ!』
「え?」
思いも寄らない返答に、全員が息を飲んだ。
オスニエルが大声で笑いだし、エリオットの背中をどついた。
「そ、それは思いつかなかったな……」
エリオットは若干引いているようだ。まずいことを言ってしまったかもと、セアラがふたりの反応にヒヤヒヤしていると、ドルフが笑い出した。
『はははっ、なかなか面白いことを考えるじゃないか、小娘。いいだろう。その役、俺がやってやる。俺ならば、加護を与えずとも意思の疎通くらいはできるからな』
予想外のところから援助の手が来て、セアラは色めき立つ。
「本当ですか?」
『ああ。ネルは嫌がるだろう。頑固だし』
『もうっ。勝手に決めないで。……たしかに嫌だけど』
袖口から顔を出したネルは、頬を膨らませていた。
「そうよね。ごめんね、ネルちゃん」
『いいよ……。セアラ、私がいやがると思って今まで口に出さなかったんでしょ』
ネルはひょこひょこと腕を駆け上がってきて、セアラの首のあたりに頭をこすりつける。
『でもわたし、セアラ以外に加護を与えるのは嫌だよ。それが悪党をやっつけるためでも』
胸の奥がくすぐられたような気がして、不思議と温かくなる。
自分じゃなければ駄目だと思われているなんて、なんてうれしいことだろう。
「大好きよ、ネルちゃん」
『わたしもよ。セアラ』
聖獣が自分を好きになってくれた。そんな奇跡に、改めて感謝する。
やがて、ホワイティが慌てた様子で戻ってくる。
『ねぇ。大変! 国境の森で火災が起きているわ!』
「え?」
思いも寄らない返答に、全員が息を飲んだ。