引きこもり令嬢の契約婚約
「俺は、内緒にすればいいって言ったんだ。自分ちの没落と正義を天秤にかけて、正義をとれなくても仕方ないって。でもこいつは……王子に報告するって。自分の立場が悪くなることを知っていてだ。王子様、確かに公爵様の罪は重い。でもこいつは……」
「わかった。落ち着いて。アドレイド嬢の話は、公爵の罪を明白にするという意味では有用だ。彼女の証言に対して、便宜を図ることはできる。だが、彼女はあくまでキャンベル公爵の娘だ。公爵に罰を与えれば……おそらく爵位はく奪になるだろうから、後ろ盾を失った彼女にできる救済はせいぜい女官の職を推薦するくらいだよ」
これまで、公爵家の令嬢として権勢をふるってきたアドレイドにとって、それは侮辱に他ならないだろう。
「それに君は、セアラにも僕にそのお茶を飲ませた。効能を知らなかったとはいえ、まったく無罪にするわけにもいかないんだ」
「……はい」
「ま、待てよ。そんなの」
「よしなさい。ハワード」
立ち上がって言い返そうとするハワードを、アルドリッド辺境伯がいさめる。
彼は納得がいかないのか舌打ちをし、その後辺境伯へと向きなおった。
「叔父上、オルセン侯爵家との縁談はお断りしてください」
「もちろん……というか、このような不祥事が発覚したんだ。あちらからお断わりになられるだろう」
ハワードは頷くと、アドレイドの手を取る。
「もし行くところが無くなったら、俺のところに来いよ。お前ひとりくらい、何とかしてやる」
「え?」
「勇気のあるやつって、あんまりいない。お前にはそれがある」
アドレイドの顔に赤みがさす。
セアラは不思議な気分でそれを見ていた。
(なんだか、今までで一番、アドレイド様がかわいく見える)
「……アドレイド嬢の処遇については、こちらも多少は考慮するよ。正式な処罰に関しては、父上……陛下が決めることだ。キャンベル公爵の弁明も王都で聞くことになるだろう」
「はっ。申し訳ありませんでした」
頭を下げるアルドリッド辺境伯に、セアラはおずおずと問いかける。
「わかった。落ち着いて。アドレイド嬢の話は、公爵の罪を明白にするという意味では有用だ。彼女の証言に対して、便宜を図ることはできる。だが、彼女はあくまでキャンベル公爵の娘だ。公爵に罰を与えれば……おそらく爵位はく奪になるだろうから、後ろ盾を失った彼女にできる救済はせいぜい女官の職を推薦するくらいだよ」
これまで、公爵家の令嬢として権勢をふるってきたアドレイドにとって、それは侮辱に他ならないだろう。
「それに君は、セアラにも僕にそのお茶を飲ませた。効能を知らなかったとはいえ、まったく無罪にするわけにもいかないんだ」
「……はい」
「ま、待てよ。そんなの」
「よしなさい。ハワード」
立ち上がって言い返そうとするハワードを、アルドリッド辺境伯がいさめる。
彼は納得がいかないのか舌打ちをし、その後辺境伯へと向きなおった。
「叔父上、オルセン侯爵家との縁談はお断りしてください」
「もちろん……というか、このような不祥事が発覚したんだ。あちらからお断わりになられるだろう」
ハワードは頷くと、アドレイドの手を取る。
「もし行くところが無くなったら、俺のところに来いよ。お前ひとりくらい、何とかしてやる」
「え?」
「勇気のあるやつって、あんまりいない。お前にはそれがある」
アドレイドの顔に赤みがさす。
セアラは不思議な気分でそれを見ていた。
(なんだか、今までで一番、アドレイド様がかわいく見える)
「……アドレイド嬢の処遇については、こちらも多少は考慮するよ。正式な処罰に関しては、父上……陛下が決めることだ。キャンベル公爵の弁明も王都で聞くことになるだろう」
「はっ。申し訳ありませんでした」
頭を下げるアルドリッド辺境伯に、セアラはおずおずと問いかける。