引きこもり令嬢の契約婚約
「あの、あの村の住人たちは、今度どうなるのですか?」
辺境伯はちらりとエリオットを見る。
「陛下のご沙汰に従います。私に任せていただけるのならば、領民として受け入れ、この町に住居をもうけましょう」
「そうですか」
ならばホレスも、放置されることはないだろう。
願わくば、真っ当に生きていってほしい。教育を受け、体を作り、国の為の人材として強くなってほしいのだ。
「とにかく、王都に戻って父上にも説明しないと。アルドリッド辺境伯も来てくれるね」
「はい」
セアラが頷くと、向かいに座る辺境伯が、すまなさそうに肩を落とした。
「せっかくの婚約者殿との旅行でしたのに、こんな対応をさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした」
エリオットが信頼していたというのは、彼のこういうところなのだろう。
「大丈夫です。国の有事に対応できない王族になるほうが恐ろしいですから。ね、エリオット様」
「ああ。君に理解があって助かるよ」
そのやり取りを見ていたアドレイドは、目を伏せ、ぽそりとつぶやく。
「……エリオット様がセアラ様を選んだのは、正しかったのですね」
彼女の声が弱弱しくて、セアラは胸の奥がきゅっとなった。
「いいえ。以前の私は引きこもりで、とても王太子妃になどなれる器ではありませんでした。私が変わったのだとしたら、それは周りの人のおかげです。その中には、アドレイド様も含まれているんですよ」
アドレイドの目尻に涙が浮かぶ。洗脳の効果があったとはいえ、彼女がしてきたことはなくならない。それは、いい意味でも悪い意味でも。
「あなたが努力してきたこと、私は知っています」
「……ありがとう。セアラ様」
エリオットは何も言わず立ち上がり、慌ただしく帰城の準備が始まった。
「ホレス君、ちゃんと頑張ってね」
「うん。……あの、おひめさま、……ごめんなさい」
「私はお姫様じゃないのよ。でも、謝罪は受け取っておくね。もう気にしなくていいから、二度とこんなことしちゃダメよ」
ホレスの頭を撫で、ふたりはアルドリッド辺境伯邸を後にした。
辺境伯はちらりとエリオットを見る。
「陛下のご沙汰に従います。私に任せていただけるのならば、領民として受け入れ、この町に住居をもうけましょう」
「そうですか」
ならばホレスも、放置されることはないだろう。
願わくば、真っ当に生きていってほしい。教育を受け、体を作り、国の為の人材として強くなってほしいのだ。
「とにかく、王都に戻って父上にも説明しないと。アルドリッド辺境伯も来てくれるね」
「はい」
セアラが頷くと、向かいに座る辺境伯が、すまなさそうに肩を落とした。
「せっかくの婚約者殿との旅行でしたのに、こんな対応をさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした」
エリオットが信頼していたというのは、彼のこういうところなのだろう。
「大丈夫です。国の有事に対応できない王族になるほうが恐ろしいですから。ね、エリオット様」
「ああ。君に理解があって助かるよ」
そのやり取りを見ていたアドレイドは、目を伏せ、ぽそりとつぶやく。
「……エリオット様がセアラ様を選んだのは、正しかったのですね」
彼女の声が弱弱しくて、セアラは胸の奥がきゅっとなった。
「いいえ。以前の私は引きこもりで、とても王太子妃になどなれる器ではありませんでした。私が変わったのだとしたら、それは周りの人のおかげです。その中には、アドレイド様も含まれているんですよ」
アドレイドの目尻に涙が浮かぶ。洗脳の効果があったとはいえ、彼女がしてきたことはなくならない。それは、いい意味でも悪い意味でも。
「あなたが努力してきたこと、私は知っています」
「……ありがとう。セアラ様」
エリオットは何も言わず立ち上がり、慌ただしく帰城の準備が始まった。
「ホレス君、ちゃんと頑張ってね」
「うん。……あの、おひめさま、……ごめんなさい」
「私はお姫様じゃないのよ。でも、謝罪は受け取っておくね。もう気にしなくていいから、二度とこんなことしちゃダメよ」
ホレスの頭を撫で、ふたりはアルドリッド辺境伯邸を後にした。