引きこもり令嬢の契約婚約
結局、セアラはこの日、最後まで大きな声が出せず、恥ずかしさから、ソフィアとも顔を合わせられなかった。
引きこもりになったのは、この時からだ。あまりに自分が情けなくて、人と会うのが怖くなった。
だけどソフィアのことが嫌なわけではない。高圧的で苦手ではあるが、彼女の言っていることは正しく、自分を慮って言ってくれたことくらいはわかる。
(ああいう方が王族に入るのは良いことだと思うわ。……もしかしたら、エリオット様は彼女の経歴を傷つけたくないから、私に契約婚約を頼んだのかしら)
ソフィアは、解消前提の取引を持ち掛けられるような相手ではない。その点、すでに引きこもりと悪評がついているセアラなら、多少追加されても問題ない。
「そうね。期間限定の婚約だものね。諦めて……受けるしかないのかしら」
エリオットに乗せられた感じはするけれど、頷いてしまった以上は仕方がない。
セアラは壁にかけられた肖像画を見つめる。
そこに描かれているのは、若かりし父と今は亡き母。そして幼い自分と生まれたばかりのマイルズだ。
「……お母様、どうか見守っていてね。私が王太子妃にならないように!」
自分を愛してくれた母の微笑みに勇気をもらい、セアラはようやく笑顔になった。
引きこもりになったのは、この時からだ。あまりに自分が情けなくて、人と会うのが怖くなった。
だけどソフィアのことが嫌なわけではない。高圧的で苦手ではあるが、彼女の言っていることは正しく、自分を慮って言ってくれたことくらいはわかる。
(ああいう方が王族に入るのは良いことだと思うわ。……もしかしたら、エリオット様は彼女の経歴を傷つけたくないから、私に契約婚約を頼んだのかしら)
ソフィアは、解消前提の取引を持ち掛けられるような相手ではない。その点、すでに引きこもりと悪評がついているセアラなら、多少追加されても問題ない。
「そうね。期間限定の婚約だものね。諦めて……受けるしかないのかしら」
エリオットに乗せられた感じはするけれど、頷いてしまった以上は仕方がない。
セアラは壁にかけられた肖像画を見つめる。
そこに描かれているのは、若かりし父と今は亡き母。そして幼い自分と生まれたばかりのマイルズだ。
「……お母様、どうか見守っていてね。私が王太子妃にならないように!」
自分を愛してくれた母の微笑みに勇気をもらい、セアラはようやく笑顔になった。