引きこもり令嬢の契約婚約【※番外編更新中です】
昼休み、ソフィアが生徒会室に行くと、会長であるエリオットをはじめ、役員四名が集まっていた。
「みんな、ご苦労様。印刷業者に頼んでいた生徒会会報が出来上がったんだ。今日はこれと、先生から頼まれた学年別のプリントを合わせて、クラスごとに仕分けしてほしい」
エリオット殿下はにこやかに言い、作業机に詰まれたプリントを指差した。
昼休みの間で終わるか微妙な量だ。
「放課後も残りますか?」
「いや、終わらなかった分は明日にしよう」
「では、学年ごとに分かれて行いましょう」
一学年はソフィアの担当だ。二クラスあるので、ざっと半分に分け、十部ずつ数えて、互い違いに置く。
会報の他、一学年にのみ配布するプリントは二種類。組み合わせて数をそろえる。
気が付けば一年が最初に終わった。
他の学年を手伝おうかとも思ったが、途中から口出すと混乱させるだけかもしれないと思い、隅の方でおとなしくしていた。
ふと、窓の外を見ると、学校の前の通りを歩く赤毛の姿が見えた。生徒会室は三階にあるので、遠くまでよく見えるのだ。
(あれは……レナルド)
赤い髪の人間はこの国には少なく、遠くからでもすぐわかる。
護衛と言いつつ、姉妹が学校に行っている間は空き時間だ。
(何をしているのかしら)
レナルドの足取りは軽い。そして手には大きな紙袋を持っている。
(あれは……メルトールの袋じゃない?)
メルトールは王都でも有名な菓子店だ。
(え? なに? お菓子を買ってきたの? レナルドが? あんなにうれしそうな感じで?)
ソフィアは思わず笑ってしまう。
(意外ね。甘いものが好きなのかしら)
うかつにも顔が緩んでいたのだろうか、エリオットが近くにやってきて、窓の外をのぞき込む。