引きこもり令嬢の契約婚約【※番外編更新中です】
「……なんですか」
「君が珍しく楽しそうな顔をしているから。何を見ていたんだい?」
エリオットが、ソフィアの横から、ひょいと窓をのぞき込む。
綺麗な顔だなと、ソフィアはぼんやり思う。
高等部在籍中に、エリオットは泣き虫殿下を卒業したらしい。
背も伸びて、体つきもたくましくなり、客観的に見たら彼は格好いいのだと思う。
(でもなんか……ときめいたりとか、しないのよねぇ)
「大したことじゃありません。あそこを歩いている赤毛、私と妹の新しい護衛なんです」
「へぇ。赤毛……ホールデン伯爵家の人かな?」
「よくご存じですね」
「赤毛は珍しいしね。前に城の警備で見た気がするよ」
何となく、どことなくだが、エリオットからの視線が生ぬるい。
「……なんですか?」
「いや、よさそうな人が護衛になってよかったじゃないか。君がそんなに顔を緩ませているのは珍しい」
含みがある話し方で微笑まれるのはなんだか不愉快だ。
「彼を護衛にしたのは妹の為ですよ。おそらく」
「そうかな。まあ、君の父上は策士だからなぁ」
ソフィアはエリオットを軽く睨んだ。
「私は一応、あなたの婚約者候補筆頭だと思うのですけれど」
父であるオルセン侯爵は、ソフィアが十六歳になって以降、エリオットとの婚約を決めるべく躍起となっている。
しかし、それに反対しているのが、自身の娘を王家に輿入れさせたいキャンベル公爵だ。
それというのもこの国では、貴族同士の婚約は十六歳以降という決まりがある。
もちろん、内々に話を進めている場合はあるが、正式な決定は十六歳以降でなければならない。キャンベル公爵の娘はまだ十四歳なので、キャンベル公爵としては、二年はエリオットに遊んでいてもらいたいらしい。
まだ結婚したくないエリオットは、その状況を喜んで受け入れているというわけだ。
「そうだね。でも僕ら、気が合わないじゃないか」
「合わせるよう努力してください。所詮政略結婚です。ある程度妥協し合いながら暮らすしかないでしょう」
はっきり言ったソフィアに、エリオットは苦笑する。
「君が珍しく楽しそうな顔をしているから。何を見ていたんだい?」
エリオットが、ソフィアの横から、ひょいと窓をのぞき込む。
綺麗な顔だなと、ソフィアはぼんやり思う。
高等部在籍中に、エリオットは泣き虫殿下を卒業したらしい。
背も伸びて、体つきもたくましくなり、客観的に見たら彼は格好いいのだと思う。
(でもなんか……ときめいたりとか、しないのよねぇ)
「大したことじゃありません。あそこを歩いている赤毛、私と妹の新しい護衛なんです」
「へぇ。赤毛……ホールデン伯爵家の人かな?」
「よくご存じですね」
「赤毛は珍しいしね。前に城の警備で見た気がするよ」
何となく、どことなくだが、エリオットからの視線が生ぬるい。
「……なんですか?」
「いや、よさそうな人が護衛になってよかったじゃないか。君がそんなに顔を緩ませているのは珍しい」
含みがある話し方で微笑まれるのはなんだか不愉快だ。
「彼を護衛にしたのは妹の為ですよ。おそらく」
「そうかな。まあ、君の父上は策士だからなぁ」
ソフィアはエリオットを軽く睨んだ。
「私は一応、あなたの婚約者候補筆頭だと思うのですけれど」
父であるオルセン侯爵は、ソフィアが十六歳になって以降、エリオットとの婚約を決めるべく躍起となっている。
しかし、それに反対しているのが、自身の娘を王家に輿入れさせたいキャンベル公爵だ。
それというのもこの国では、貴族同士の婚約は十六歳以降という決まりがある。
もちろん、内々に話を進めている場合はあるが、正式な決定は十六歳以降でなければならない。キャンベル公爵の娘はまだ十四歳なので、キャンベル公爵としては、二年はエリオットに遊んでいてもらいたいらしい。
まだ結婚したくないエリオットは、その状況を喜んで受け入れているというわけだ。
「そうだね。でも僕ら、気が合わないじゃないか」
「合わせるよう努力してください。所詮政略結婚です。ある程度妥協し合いながら暮らすしかないでしょう」
はっきり言ったソフィアに、エリオットは苦笑する。