引きこもり令嬢の契約婚約【※番外編更新中です】
普段は忙しく、食事の時間も合わないので、父と対面するのも久しぶりだ。
「……お父様は、どういうつもりでレナルドを雇ったのですか?」
「お前はどう見た?」
「エスメのお相手候補なのかと。内向的なあの子が、レナルドには兄と呼んで懐いていますし、伯爵家の次男ならば婿入れにも問題ないでしょう。性格も温厚そうですし」
「ふん。さすがだな。お前の見立ては大体あっている」
父の眼差しがわずかに緩む。ソフィアは父親のこんな顔を、子供の時から何度か見ている。ソフィアが父の望む答えを返したとき、彼はこんな風に笑うのだ。
昔は、認められているようでうれしかった。この顔をまた見たいという気持ちを原動力に、すべてにおいて努力したものだ。
(でも今は、もっと間の抜けた顔が見たいわね。出し抜かれて、悔しがっているような顔が)
今は父の上を行きたいと思う。いつまでも、盤上の駒でいるのはつまらない。駒を動かすほうに、ソフィアはなりたいのだ。
「でも、どうしてレナルドを選んだのですか? 彼にオルセン侯爵家を背負えるほどの才覚を見出したのですか?」
オルセン侯爵はわずかに目を細める。
「今回重視したのは、エスメに合う男で、従順であることだ。私はまだ死ぬような年じゃない。ふたりの間に男児ができれば、英才教育を施すことも可能だ」
「つまり、孫の代に期待をかけているということですか? 男児が産まれるかもわからないのに? 随分賭けに出たんですのね」
「そこは仕方あるまい。私は娘しか持てなかったのだからな。生まれてくるのが娘ならば、レナルドに本格的な当主教育を行う。あれは磨けば光るタイプだ」
「そうですか」
「レナルドには欲深さがない。お前のことも義姉として大事にするだろう。王太子妃となった時に、後ろ盾が弱くては困るからな」
「……お父様は、どういうつもりでレナルドを雇ったのですか?」
「お前はどう見た?」
「エスメのお相手候補なのかと。内向的なあの子が、レナルドには兄と呼んで懐いていますし、伯爵家の次男ならば婿入れにも問題ないでしょう。性格も温厚そうですし」
「ふん。さすがだな。お前の見立ては大体あっている」
父の眼差しがわずかに緩む。ソフィアは父親のこんな顔を、子供の時から何度か見ている。ソフィアが父の望む答えを返したとき、彼はこんな風に笑うのだ。
昔は、認められているようでうれしかった。この顔をまた見たいという気持ちを原動力に、すべてにおいて努力したものだ。
(でも今は、もっと間の抜けた顔が見たいわね。出し抜かれて、悔しがっているような顔が)
今は父の上を行きたいと思う。いつまでも、盤上の駒でいるのはつまらない。駒を動かすほうに、ソフィアはなりたいのだ。
「でも、どうしてレナルドを選んだのですか? 彼にオルセン侯爵家を背負えるほどの才覚を見出したのですか?」
オルセン侯爵はわずかに目を細める。
「今回重視したのは、エスメに合う男で、従順であることだ。私はまだ死ぬような年じゃない。ふたりの間に男児ができれば、英才教育を施すことも可能だ」
「つまり、孫の代に期待をかけているということですか? 男児が産まれるかもわからないのに? 随分賭けに出たんですのね」
「そこは仕方あるまい。私は娘しか持てなかったのだからな。生まれてくるのが娘ならば、レナルドに本格的な当主教育を行う。あれは磨けば光るタイプだ」
「そうですか」
「レナルドには欲深さがない。お前のことも義姉として大事にするだろう。王太子妃となった時に、後ろ盾が弱くては困るからな」