引きこもり令嬢の契約婚約【※番外編更新中です】
それでも笑顔を保って周囲の人の相手をしていると、レナルドが視界に入った。
テーブルひとつ分くらいの距離を保って、穏やかな顔でこちらを見ている。口がもごもごと動いているから、何か食べているからだろう。
(レナルドは相変わらずね)
締まらない男だと思いつつ、なぜだかほっとしてしまう。
別に気を張っているのに疲れたわけではないけれど、気楽にいられるレナルドの傍にいたいと思ってしまった。
ソフィアは「少し失礼しますわ」と令嬢たちに断りを入れ、レナルドの方に向かう。
「あれ、お嬢、どうしました」
「何を食べていたの?」
「白桃のムースってやつ食べました。めちゃくちゃおいしいです」
「それは食べてないわね。私もいただこうかしら」
「ここのはもうぬるくなっていますから、取ってきますよ」
「え? レナ……」
あっという間に、レナルドは配膳メイドたちの出入り口に行ってしまう。
(なによ、話をしようと思ったのに)
レナルドがいなくなると、顔見知りの伯爵令息が近寄ってきた。寄ってくる人すべてに愛想笑いをして、無難な会話で相手を満足させる。
(相手の話には笑顔で。興味がない話題の時は、さりげなく別の話題を提案する。時々、目の前の相手を褒めることも忘れずに……)
ソフィアが処世術として身に着けた会話術だ。もう慣れていることだけれど、時々すごく面倒くさくなる。
テーブルひとつ分くらいの距離を保って、穏やかな顔でこちらを見ている。口がもごもごと動いているから、何か食べているからだろう。
(レナルドは相変わらずね)
締まらない男だと思いつつ、なぜだかほっとしてしまう。
別に気を張っているのに疲れたわけではないけれど、気楽にいられるレナルドの傍にいたいと思ってしまった。
ソフィアは「少し失礼しますわ」と令嬢たちに断りを入れ、レナルドの方に向かう。
「あれ、お嬢、どうしました」
「何を食べていたの?」
「白桃のムースってやつ食べました。めちゃくちゃおいしいです」
「それは食べてないわね。私もいただこうかしら」
「ここのはもうぬるくなっていますから、取ってきますよ」
「え? レナ……」
あっという間に、レナルドは配膳メイドたちの出入り口に行ってしまう。
(なによ、話をしようと思ったのに)
レナルドがいなくなると、顔見知りの伯爵令息が近寄ってきた。寄ってくる人すべてに愛想笑いをして、無難な会話で相手を満足させる。
(相手の話には笑顔で。興味がない話題の時は、さりげなく別の話題を提案する。時々、目の前の相手を褒めることも忘れずに……)
ソフィアが処世術として身に着けた会話術だ。もう慣れていることだけれど、時々すごく面倒くさくなる。