引きこもり令嬢の契約婚約【番外編も完結】
「じゃあ、家の為だけに結婚するつもりなんですか?」
「そもそも私が選ばれるとは限らないでしょう。とにかく、エリオット様の留学に対しては本当に問題ないの。心配しないで」
「俺はお嬢が結婚を望んでいるんだと思っていたのに……」
レナルドはなぜだかシュンとしたままだ。年上なのにまるで子犬みたいで、思わず頭を撫でてしまった。
「しっかりなさい、レナルド・ホールデン。護衛が主人に心配かけてどうするの」
言葉で喝を入れると、レナルドの背筋がピッと伸びた。
「すみません!」
「よろしい」
「……はは。お嬢はやっぱり格好いいですね。初めて見た時と変わらないです」
「初めて?」
いつの話だ?とソフィアは頭を巡らせる。ソフィアの記憶では、オルセン邸に護衛としてきた日が初対面だと思うのだが。
「昔、フィオナ姫やエリオット殿下の遊び相手として、貴族の子供たちが王城に呼ばれたことがあったでしょう」
当時、戦時中であったからこそ、子供たちが不安に感じないよう、そういった催しが度々行われた。もちろん、それは子供の目にそう見えただけで、実際は無駄な出費とならないよう、供される菓子類も簡素なものだったが、子供というのは集まればそれだけで楽しく遊んだりするものだ。
「令嬢たちはお茶会をはじめ、俺たちは剣術遊びに励んでいました。戦時中はね、将軍とかが格好良く見えるので流行っていたんですけど、今思えば、エリオット殿下はつまらなさそうでしたね」
思い出したように、レナルドがクスクス笑う。欄干に寄りかかり庭を見ながら、今は暗闇に包まれたそこを指差した。
「そもそも私が選ばれるとは限らないでしょう。とにかく、エリオット様の留学に対しては本当に問題ないの。心配しないで」
「俺はお嬢が結婚を望んでいるんだと思っていたのに……」
レナルドはなぜだかシュンとしたままだ。年上なのにまるで子犬みたいで、思わず頭を撫でてしまった。
「しっかりなさい、レナルド・ホールデン。護衛が主人に心配かけてどうするの」
言葉で喝を入れると、レナルドの背筋がピッと伸びた。
「すみません!」
「よろしい」
「……はは。お嬢はやっぱり格好いいですね。初めて見た時と変わらないです」
「初めて?」
いつの話だ?とソフィアは頭を巡らせる。ソフィアの記憶では、オルセン邸に護衛としてきた日が初対面だと思うのだが。
「昔、フィオナ姫やエリオット殿下の遊び相手として、貴族の子供たちが王城に呼ばれたことがあったでしょう」
当時、戦時中であったからこそ、子供たちが不安に感じないよう、そういった催しが度々行われた。もちろん、それは子供の目にそう見えただけで、実際は無駄な出費とならないよう、供される菓子類も簡素なものだったが、子供というのは集まればそれだけで楽しく遊んだりするものだ。
「令嬢たちはお茶会をはじめ、俺たちは剣術遊びに励んでいました。戦時中はね、将軍とかが格好良く見えるので流行っていたんですけど、今思えば、エリオット殿下はつまらなさそうでしたね」
思い出したように、レナルドがクスクス笑う。欄干に寄りかかり庭を見ながら、今は暗闇に包まれたそこを指差した。