引きこもり令嬢の契約婚約
聖獣と王女が離れ離れになったシーンではハラハラしたし、恋する剣士に抱きしめられたときは胸が高鳴った。聖獣が王女を守るために剣士と協力する場面は、格好良くて見とれてしまった。
最後、王女と剣士を祝福した聖獣が、ふたりから少し距離を置いて振り向く姿に、聖獣の王女への想いが感じられて、胸が揺さぶられて泣き出してしまいそうだった。
万感の想いがこもった拍手が、劇場内に響き渡る。
王太子殿下の前で醜態をさらすわけにはいかないが、涙がこぼれてしまいそうで、セアラは必死に堪えている。
隣に座るエリオットは、こちらの状態など見ていないかのように、一心に前を向いている。
さざ波のような拍手は止まることなく、どちらかと言えば歓喜する国民の方を楽しんでいるようにも見えた。
「すごい音だね。近くの物音なんて聞こえなくなりそうだ」
ぽそりと彼がいい、ちらりとセアラを見るとハンカチを差し出した。
「あ、ありがとうございます」
「泣きたいときは泣いた方がすっきりするよ」
受け取るとすぐに、彼は前を向く。見ないふりをしてくれるのだと分かって、セアラは少し力が抜けた。途端に涙がこぼれ、貸してくれたハンカチをぎゅっと握りしめる。
「と、とっても良かった……です。か、感動、しました」
「うん。主演の女優の演技がとてもよかったね」
「聖獣様役の演技もすごくよくて」
今日の劇には狼の聖獣が出ていた。この国は聖獣の加護を受けているので、物語には聖獣が出てくるものが多いのだ。
今日の聖獣のように、きっとホワイティもエリオットを想っているのだろう。
(大丈夫です。私は邪魔したりしません。契約ですから。だから早く姿を見せてください。ホワイティ様)
最後、王女と剣士を祝福した聖獣が、ふたりから少し距離を置いて振り向く姿に、聖獣の王女への想いが感じられて、胸が揺さぶられて泣き出してしまいそうだった。
万感の想いがこもった拍手が、劇場内に響き渡る。
王太子殿下の前で醜態をさらすわけにはいかないが、涙がこぼれてしまいそうで、セアラは必死に堪えている。
隣に座るエリオットは、こちらの状態など見ていないかのように、一心に前を向いている。
さざ波のような拍手は止まることなく、どちらかと言えば歓喜する国民の方を楽しんでいるようにも見えた。
「すごい音だね。近くの物音なんて聞こえなくなりそうだ」
ぽそりと彼がいい、ちらりとセアラを見るとハンカチを差し出した。
「あ、ありがとうございます」
「泣きたいときは泣いた方がすっきりするよ」
受け取るとすぐに、彼は前を向く。見ないふりをしてくれるのだと分かって、セアラは少し力が抜けた。途端に涙がこぼれ、貸してくれたハンカチをぎゅっと握りしめる。
「と、とっても良かった……です。か、感動、しました」
「うん。主演の女優の演技がとてもよかったね」
「聖獣様役の演技もすごくよくて」
今日の劇には狼の聖獣が出ていた。この国は聖獣の加護を受けているので、物語には聖獣が出てくるものが多いのだ。
今日の聖獣のように、きっとホワイティもエリオットを想っているのだろう。
(大丈夫です。私は邪魔したりしません。契約ですから。だから早く姿を見せてください。ホワイティ様)