引きこもり令嬢の契約婚約
「ですから、アドレイド様が選ばれないのは、あなたに魅力がないからではありませんわ」
ひくっ、とアドレイドが息を飲みこむ。意外な発言に驚いているような表情で、邪気が抜けたその顔はかわいらしくも思えた。
「エリオット様は芸術を見る目は確かなんです。ですからセアラ様に、何かしら光るものを感じたということなのでしょう。確かにセアラ様は、令嬢としての務めをおろそかにしていると私も思います。ですが、こうしてお茶会にも出てこられたのです。王太子妃になるために、意識を変えられたということでしょう。これから磨かれて宝石のようになりますわ、きっと」
そこまで一気に言うと、セアラに向かって微笑んだ。
「ご気分を悪くなさらないでね、セアラ様。私もアドレイド様も、あなたのことを心配しているのです」
「……私が、今まで社交から逃げてきたのは本当のことですもの。ご助言、ありがたく受け取ります。今後ともご指導いただければと思いますわ」
ソフィアが間に入ったことで、アドレイドもこれ以上セアラに強く言う気にはなれなかったようだ。
その後は勧められるままお茶とお菓子をいただき、最近社交界で話題の情報を教えてもらう。
(ソフィア様がいなかったら、きっとアドレイド様とこんな風に話せることはなかったわ)
助かったと思うのと同時に、やはり王太子妃にふさわしいのはソフィアではないかという気持ちも抜けない。
(どうしてエリオット様は、ソフィア様を選ばなかったのかしら)
その疑問の答えは、ここでは見つかりそうにもなかった。
ひくっ、とアドレイドが息を飲みこむ。意外な発言に驚いているような表情で、邪気が抜けたその顔はかわいらしくも思えた。
「エリオット様は芸術を見る目は確かなんです。ですからセアラ様に、何かしら光るものを感じたということなのでしょう。確かにセアラ様は、令嬢としての務めをおろそかにしていると私も思います。ですが、こうしてお茶会にも出てこられたのです。王太子妃になるために、意識を変えられたということでしょう。これから磨かれて宝石のようになりますわ、きっと」
そこまで一気に言うと、セアラに向かって微笑んだ。
「ご気分を悪くなさらないでね、セアラ様。私もアドレイド様も、あなたのことを心配しているのです」
「……私が、今まで社交から逃げてきたのは本当のことですもの。ご助言、ありがたく受け取ります。今後ともご指導いただければと思いますわ」
ソフィアが間に入ったことで、アドレイドもこれ以上セアラに強く言う気にはなれなかったようだ。
その後は勧められるままお茶とお菓子をいただき、最近社交界で話題の情報を教えてもらう。
(ソフィア様がいなかったら、きっとアドレイド様とこんな風に話せることはなかったわ)
助かったと思うのと同時に、やはり王太子妃にふさわしいのはソフィアではないかという気持ちも抜けない。
(どうしてエリオット様は、ソフィア様を選ばなかったのかしら)
その疑問の答えは、ここでは見つかりそうにもなかった。