引きこもり令嬢の契約婚約
「まったく……。驚いたでしょう。ごめんなさいね」
「いえ。でも、あの……」
「父はね、私が子供の頃から、王太子妃になりなさいと言い続けていた人なの。呪いみたいだったわ。いずれ王太子妃になるものとして、清く正しく生きなければいけないと、昔の私は思っていたのよ」
「それは……。私も、ソフィア様が王太子妃にふさわしいって思っていました」
契約婚約を受け入れたのだって、いずれ本当に王太子妃にふさわしい人がその座につくだろうと楽観していたからという節がある。
ソフィアはセアラのその表情を見て、苦笑した。
「あなたにそれを言われては困るわ。もっとしっかりして、皆に認められる王太子妃になって頂戴」
「でも……私との婚約は、エリオット様の気の迷いかもしれませんよ?」
「違うわ。少なくとも今の私は、その座を望んでいない。私はエリオット様があなたを選んでくれてほっとしたのよ」
ソフィアは周囲を見回し、そっとセアラに耳打ちする。
「内緒の話よ。私、本当はこのオルセン侯爵家を継ぎたいの。侯爵夫人になるんじゃなくて、自分が侯爵として」
「えっ」
驚きで、大きな声が出てしまい、「しー」とソフィアからいさめられる。
爵位の継承は基本男子に限られている。子供が娘しかいない場合は、娘と親族の男子と結婚させて跡を継がせるのが主流だ。
「私には妹がいてね。父は、私を王太子妃にして、妹に婿を取ってオルセン侯爵家を継がせようとしている。でも私はね、自分でこの家を継ぎたいのよ。誰よりもこの家の為に尽くしてきたんだもの。私が継いで何が悪いの?」
「でも、法律が……」
「そう。法律上は無理ね。だから法律を変えるべきだと思っている」
「えっ?」
セアラは驚いて目を瞠った。
法律とは守るためにあるのだ。なのに、その法律を変えるなんて、許されるはずがない。
「いえ。でも、あの……」
「父はね、私が子供の頃から、王太子妃になりなさいと言い続けていた人なの。呪いみたいだったわ。いずれ王太子妃になるものとして、清く正しく生きなければいけないと、昔の私は思っていたのよ」
「それは……。私も、ソフィア様が王太子妃にふさわしいって思っていました」
契約婚約を受け入れたのだって、いずれ本当に王太子妃にふさわしい人がその座につくだろうと楽観していたからという節がある。
ソフィアはセアラのその表情を見て、苦笑した。
「あなたにそれを言われては困るわ。もっとしっかりして、皆に認められる王太子妃になって頂戴」
「でも……私との婚約は、エリオット様の気の迷いかもしれませんよ?」
「違うわ。少なくとも今の私は、その座を望んでいない。私はエリオット様があなたを選んでくれてほっとしたのよ」
ソフィアは周囲を見回し、そっとセアラに耳打ちする。
「内緒の話よ。私、本当はこのオルセン侯爵家を継ぎたいの。侯爵夫人になるんじゃなくて、自分が侯爵として」
「えっ」
驚きで、大きな声が出てしまい、「しー」とソフィアからいさめられる。
爵位の継承は基本男子に限られている。子供が娘しかいない場合は、娘と親族の男子と結婚させて跡を継がせるのが主流だ。
「私には妹がいてね。父は、私を王太子妃にして、妹に婿を取ってオルセン侯爵家を継がせようとしている。でも私はね、自分でこの家を継ぎたいのよ。誰よりもこの家の為に尽くしてきたんだもの。私が継いで何が悪いの?」
「でも、法律が……」
「そう。法律上は無理ね。だから法律を変えるべきだと思っている」
「えっ?」
セアラは驚いて目を瞠った。
法律とは守るためにあるのだ。なのに、その法律を変えるなんて、許されるはずがない。