引きこもり令嬢の契約婚約
*
お茶会当日、セアラはアビーを連れ、キャンベル公爵家を訪れた。
ソフィアに教えてもらったチョコレートも、もちろん持参している。
(これなら失敗しないわ!)
意気込んでみたものの、不安は尽きない。やはり社交には苦手意識があるし、相手がアデライドだからなおさら憂鬱だ。
葉擦れの音が聞こえ、セアラは軽く空を見上げる。シロフクロウの姿が見えたような気がするが、瞬きをするうちに見えなくなってしまった。
(ホワイティ様……なわけないか)
玄関にたどり着く前に、キャンベル家の執事が扉を開ける。
「お待ちしておりました。シーグローヴ侯爵令嬢さま」
「お招きありがとうございます」
「ご案内いたします。こちらへどうぞ」
礼儀の行き届いた使用人に、絢爛豪華な室内。何度来ても、キャンベル公爵家のホールには圧倒されてしまう。
「ようこそ。セアラ様」
今日のアドレイドは、華々しい赤いドレスだ。
「ごきげんよう、アドレイド様。本日はお招きありがとうございます」
「ええ。私も待ちかねていたわ。何度お誘いしても、セアラ様ってば欠席のお返事ばかりなのだもの」
「申し訳ありません。この通り不出来なもので、正妃教育で手一杯になっていたのです」
和やかに会話を続けていたつもりだが、アドレイドの表情に若干の険が寄る。
「そうね。自覚はあるのね」
小声だったがはっきり聞こえた。セアラはなんと返していいかわからず、苦笑する。
「どうぞ、座って?」
日当たりのいい客間に、色とりどりの花が飾られている。セアラが心の中で花の名前を思い出しているうちに、メイドがお茶を入れてくれた。
「ハーブティですね。いい香り」
「ええ。この日の為に取り寄せたのよ」
(おいしい……けど、めずらしい味ね。なにかしら。いろいろブレンドされているみたいだけど。ローズマリーがベースで、オレンジ系のハーブが混ざっているのかしら……)
セアラは、ハーブには詳しい方だが、特定まではできなかった。
お茶会当日、セアラはアビーを連れ、キャンベル公爵家を訪れた。
ソフィアに教えてもらったチョコレートも、もちろん持参している。
(これなら失敗しないわ!)
意気込んでみたものの、不安は尽きない。やはり社交には苦手意識があるし、相手がアデライドだからなおさら憂鬱だ。
葉擦れの音が聞こえ、セアラは軽く空を見上げる。シロフクロウの姿が見えたような気がするが、瞬きをするうちに見えなくなってしまった。
(ホワイティ様……なわけないか)
玄関にたどり着く前に、キャンベル家の執事が扉を開ける。
「お待ちしておりました。シーグローヴ侯爵令嬢さま」
「お招きありがとうございます」
「ご案内いたします。こちらへどうぞ」
礼儀の行き届いた使用人に、絢爛豪華な室内。何度来ても、キャンベル公爵家のホールには圧倒されてしまう。
「ようこそ。セアラ様」
今日のアドレイドは、華々しい赤いドレスだ。
「ごきげんよう、アドレイド様。本日はお招きありがとうございます」
「ええ。私も待ちかねていたわ。何度お誘いしても、セアラ様ってば欠席のお返事ばかりなのだもの」
「申し訳ありません。この通り不出来なもので、正妃教育で手一杯になっていたのです」
和やかに会話を続けていたつもりだが、アドレイドの表情に若干の険が寄る。
「そうね。自覚はあるのね」
小声だったがはっきり聞こえた。セアラはなんと返していいかわからず、苦笑する。
「どうぞ、座って?」
日当たりのいい客間に、色とりどりの花が飾られている。セアラが心の中で花の名前を思い出しているうちに、メイドがお茶を入れてくれた。
「ハーブティですね。いい香り」
「ええ。この日の為に取り寄せたのよ」
(おいしい……けど、めずらしい味ね。なにかしら。いろいろブレンドされているみたいだけど。ローズマリーがベースで、オレンジ系のハーブが混ざっているのかしら……)
セアラは、ハーブには詳しい方だが、特定まではできなかった。