引きこもり令嬢の契約婚約
『たとえ契約だろうと、引き受けた責任はセアラにあるわ。泣いたとしても構わないじゃない』
「それでも泣かないでほしいって思うくらいには、好きになったみたいだ」
(彼女を騙して婚約者にして、時間をかけて本気にさせようなんて思っていたくせに)
エリオットは苦笑するしかない。こんなにも計画通りにいかないのは久しぶりだ。
「恋愛って、計画通りにはいかないものだね」
『恋……ね。ああああ、嫌だわぁ。私のエリオットが! いつの間にこんなに大人になってしまったの!』
ホワイティが羽をばたつかせて暴れる。
「うわ。やめてよ、ホワイティ。羽根が落ちるよ」
『だって、私だって嫌なんだもの。エリオットが悲しむのは。……ああもう! セアラにひとこと言ってやらなきゃ気が済まないわ!』
エリオットは少し嫌な予感がした。エリオットには優しいホワイティだが、セアラに対しては終始あたりが強い。
「……ホワイティ? セアラをいじめないでよ?」
『いじめたりしないわ。でも、本当のことを言うくらいは良いでしょう? あの子のせいで、あなたは泣いているんだもの』
「勘弁して。絶対に言わないでよ。僕が泣いていたなんて」
『さあ。聖獣は自由なのよ。あなたのことは大好きだけど、私はやりたいようにするわ』
「ちょっ……」
羽をはばたかせて、ホワイティは跳びたってしまった。途端にエリオットは不安になってきた。
ホワイティといると、つい安心して本心を口に出してしまうが、エリオットの聖獣である彼女が優先するのはエリオットの幸せのみ。おそらくそこに、セアラへの気遣いは含まれない。
「大丈夫か? ホワイティがセアラに何か余計なことを言ったり……。いやでも、話は通じないんだから大丈夫か」
聖獣の声は、加護を得た者にしか聞こえない。だからホワイティが何か言おうとしても、エリオットが通訳しなければ伝えることはできないはずだ。
しかし一抹の不安は消えぬまま、エリオットはこの日、眠れぬ夜を過ごすことになる。
「それでも泣かないでほしいって思うくらいには、好きになったみたいだ」
(彼女を騙して婚約者にして、時間をかけて本気にさせようなんて思っていたくせに)
エリオットは苦笑するしかない。こんなにも計画通りにいかないのは久しぶりだ。
「恋愛って、計画通りにはいかないものだね」
『恋……ね。ああああ、嫌だわぁ。私のエリオットが! いつの間にこんなに大人になってしまったの!』
ホワイティが羽をばたつかせて暴れる。
「うわ。やめてよ、ホワイティ。羽根が落ちるよ」
『だって、私だって嫌なんだもの。エリオットが悲しむのは。……ああもう! セアラにひとこと言ってやらなきゃ気が済まないわ!』
エリオットは少し嫌な予感がした。エリオットには優しいホワイティだが、セアラに対しては終始あたりが強い。
「……ホワイティ? セアラをいじめないでよ?」
『いじめたりしないわ。でも、本当のことを言うくらいは良いでしょう? あの子のせいで、あなたは泣いているんだもの』
「勘弁して。絶対に言わないでよ。僕が泣いていたなんて」
『さあ。聖獣は自由なのよ。あなたのことは大好きだけど、私はやりたいようにするわ』
「ちょっ……」
羽をはばたかせて、ホワイティは跳びたってしまった。途端にエリオットは不安になってきた。
ホワイティといると、つい安心して本心を口に出してしまうが、エリオットの聖獣である彼女が優先するのはエリオットの幸せのみ。おそらくそこに、セアラへの気遣いは含まれない。
「大丈夫か? ホワイティがセアラに何か余計なことを言ったり……。いやでも、話は通じないんだから大丈夫か」
聖獣の声は、加護を得た者にしか聞こえない。だからホワイティが何か言おうとしても、エリオットが通訳しなければ伝えることはできないはずだ。
しかし一抹の不安は消えぬまま、エリオットはこの日、眠れぬ夜を過ごすことになる。