引きこもり令嬢の契約婚約
「ソ、ソフィア様にはいろいろ協力していただいたのに、こんなことになって、申し訳ありませんでした!」
しばらく沈黙があった。そしてため息と共に、幾分優しい声色でソフィアは続けた。
「……事情を聞かせてもらえるかしら」
「はい」
お茶を飲みながら、セアラは昨日のアドレイトとの会話について話した。オルセン侯爵と父の会話は、当人であるソフィアに聞かせるには、はばかられる内容もあったので黙っていたが、要は、自分が至らないせいで弟をはじめとした家族に迷惑をかけたこと、やはり自分には王太子妃は荷が勝ちすぎていると思ったことを、誠心誠意伝える。
「弟さんが?」
「はい。私のせいでひどいことを言われているのだと思ったら、急に怖くなってしまって。それをエリオット様にお伝えしたら、婚約破棄しようと。……もともと、私みたいな引きこもりには無理な話だったんです」
ソフィアが眉を寄せて、ティーカップを皿に戻す。
「セアラ様。私、あなたとは友達になれたのだと思っていたのだけど」
「えっ。ええ……」
「悩みを相談できないほど、頼りない友人だったのかしら」
言われて、セアラはハッとする。今思えば、あまりに衝動的な行動だ。
「そ、そんなことはないです。ただあの時は、本当に私がいることで、皆を不幸にしてしまうんだって思えて……」
「それにしたって。あなたは行動力があるほうじゃないし、考えを行動に移すのも遅いわよね。どうしてその日に限って、そんなに早く決断してしまったの? むしろ以前に比べて、王太子妃らしい気品も行動も身に付けつつあったというのに」
言われてみればそうだ。あの時はどうしようもなく悲しくて、自分が無力な存在に思えた。タイミングがいいのか悪いのかはわからないが、エリオットが駆けつけてくれたことで、話は一気に婚約破棄まで進んでしまったのだ。
しばらく沈黙があった。そしてため息と共に、幾分優しい声色でソフィアは続けた。
「……事情を聞かせてもらえるかしら」
「はい」
お茶を飲みながら、セアラは昨日のアドレイトとの会話について話した。オルセン侯爵と父の会話は、当人であるソフィアに聞かせるには、はばかられる内容もあったので黙っていたが、要は、自分が至らないせいで弟をはじめとした家族に迷惑をかけたこと、やはり自分には王太子妃は荷が勝ちすぎていると思ったことを、誠心誠意伝える。
「弟さんが?」
「はい。私のせいでひどいことを言われているのだと思ったら、急に怖くなってしまって。それをエリオット様にお伝えしたら、婚約破棄しようと。……もともと、私みたいな引きこもりには無理な話だったんです」
ソフィアが眉を寄せて、ティーカップを皿に戻す。
「セアラ様。私、あなたとは友達になれたのだと思っていたのだけど」
「えっ。ええ……」
「悩みを相談できないほど、頼りない友人だったのかしら」
言われて、セアラはハッとする。今思えば、あまりに衝動的な行動だ。
「そ、そんなことはないです。ただあの時は、本当に私がいることで、皆を不幸にしてしまうんだって思えて……」
「それにしたって。あなたは行動力があるほうじゃないし、考えを行動に移すのも遅いわよね。どうしてその日に限って、そんなに早く決断してしまったの? むしろ以前に比べて、王太子妃らしい気品も行動も身に付けつつあったというのに」
言われてみればそうだ。あの時はどうしようもなく悲しくて、自分が無力な存在に思えた。タイミングがいいのか悪いのかはわからないが、エリオットが駆けつけてくれたことで、話は一気に婚約破棄まで進んでしまったのだ。