スパダリ御曹司は政略妻とベビーに一途愛を証明する
そんな私に父は微笑む。
「七海も前向きになってくれたとはいえ、さすがにお相手の顔くらいは知っておいた方がいいな」
「もしかして写真があるの?」
「お見合いなんだ、もちろんある。これだ」
父が差し出した写真を覗き込んだ瞬間、思わず息をのんだ。
静かに微笑んでいるその男性は、二十四歳には見えない落ち着いた雰囲気をまとっていた。
やわらかな瞳と、どこか余裕のある表情に心がぐっと惹かれる。
「かっこよくて優しそうな人、だね」
「ハハ、それはよかった。第一印象は大事だからな」
「うん。この男性が朔也さん、かぁ……」
ひと目惚れというほどではない。でも、悪い印象はまったくなかった。
見た目も家柄も申し分ない男性。きっと放っておいても、女性の方からたくさんアプローチされてきただろう。
それに反して、家柄は葉室ほどでもなく、そして男性と付き合った経験すらない自分は、葉室グループの御曹司のお眼鏡にかなうのだろうか。
ただでさえ、雲の上のような存在である相手なのに、本当に私でいいのだろうかという不安は残った。