完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 HIROが嬉しそうに頬を染めて口元を抑える。

「だから、くれぐれもファンには手を出したりしてスキャンダルを起こさないでね。色恋沙汰みたいなのでガッカリさせないで」
 私は自分を襲おうとした彼を思い出しながら続けた。
 正直、彼に押し倒された時にファンに手を出すようなクズ野郎だったと失望した。
 私の中で彼は歌や踊りに夢中で、そういった男女のことに一切興味がない純粋な男の子だった。
 その偶像を崩されると彼を崇拝する思いが削がれてきて、自分が彼を助けたいという使命感さえもなくなってしまう気がした。

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