完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
私は夕日に照らされた何時になく真剣な表情のHIROに気がつけば見惚れていた。私はムカつく事を言われたら即言い返して生きて来たので、誰かに自分を庇って貰うような事は初めてだった。
「えっ、あの、ごめんなさい。私ってば清十郎さんと離婚しろって言われてムキになっちゃって。私にとって凛音ちゃんは自慢の娘よ」
母は心底申し訳なさそうにしていた。私が『自慢の娘』だというのは母の本心だ。でも、母は目の前の本当の私を見ようとした事はない。お嬢様学校に通うピアノが上手で曽根崎玲の婚約者の完璧な娘という設定の私が好きなだけだ。実際の問題児の私からは目を背けている。
「えっ、あの、ごめんなさい。私ってば清十郎さんと離婚しろって言われてムキになっちゃって。私にとって凛音ちゃんは自慢の娘よ」
母は心底申し訳なさそうにしていた。私が『自慢の娘』だというのは母の本心だ。でも、母は目の前の本当の私を見ようとした事はない。お嬢様学校に通うピアノが上手で曽根崎玲の婚約者の完璧な娘という設定の私が好きなだけだ。実際の問題児の私からは目を背けている。