完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「もう、ジャクソンって何だよ。意味わかんねーよ。なんか、凛音って危なっかしくて放って置けないんだよ。お前一人じゃ曽根崎玲になんか絶対に勝てないよ」
 HIROがまた懲りずに私を抱きしめようとしてくるので、私はそれを振り解いた。

「大丈夫だよ。私、変わるから。強い柏原凛音になるから。玲さんとの婚約も破棄して晴れて自由の身になったら、コンサートに行くね」
 私はそう言うと、抗議してくるHIROの手を引きながら彼を門の外に出した。

 鈴木さんに取り敢えずの荷物を纏めてもらって、階下に降りるとエントランスホールに私の婚約者が来ていた。

「凛音ちゃん⋯⋯」
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