完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 仕切りのカーテンの見たことない程の分厚さを見るに、特殊な素材を使った防音カーテンなのかもしれない。
 
「不倫は犯罪じゃない。だからこそ、僕自身が裁くしかなかった。悪い事を悪いと教えてやる人間は必要だ」
 玲さんは間違った事を言っているはずなのに、父の不倫によって自分の家庭が滅茶苦茶になった今は彼を非難できない。
 私はなぜ玲さんの自分を見る目に恐怖してたのかを理解した。彼は私への愛情よりも深い憎しみを抱いていたのだ。全ては私の罪だった。

「玲さん、お願い! HIROを殺さないで」
「そんなに彼が好きなの?」

 玲さんが呆れたように苦笑する。
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