完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「玲さんはHIROを憎んでいるんだね。だから、玲さんはHIROを殺したの?」
「まだ、今回は殺してないけどね」
 あっさりと悪びれずに認める彼が恐ろしい。自らは手を下さず、彼が関係している証拠など残さないのだろう。
 私の事も殺しているのだから、玲さん自身も気が付いてないかもしれないが、裏切った私への疑念は消せずにいる。そして、それが今後消えることはきっとない。

「不倫は確かに悪い事だけど、何も殺すことはなくない?!」

 私は思わず大きい声を出してしまい、口元を抑えた。
 私がカーテン越しの運転席の方を見ると、玲さんが首を振った。
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