完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 もしかしたら、私の知らない彼との結婚生活を思い出して欲しいのかもしれない。
 私は緊張しながら、グラスに口をつけた。

「何、これ、美味しすぎる! 出会ったことないお味!」
「それは、良かった」
 思わず飲み干したグラスを玲さんがそっと片付けると、私を自分の太ももを枕にさせて寝かせた。

 玲さんの顔を見上げる形になるが、この角度で見ても驚きの美しさだ。
 そして、私はこうやって彼に膝枕してもらって会話をする事に抵抗がなく、むしろ懐かしい感じさえした。

「寝不足って言ってたから、学校に到着するまで寝てて良いよ」
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