完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 私は玲さんが私とHIROの微妙な音声だけで浮気を疑った事を思い出していた。
 私には前科があったのだ。
 前科持ちの私は些細な行動でも疑われる。
 1週間後に婚約破棄が成立するまでは、静かに穏便に過ごす必要がある。

「離さねえよ!」
 HIROがますます強く私を抱きしめてきた。
(離さないとHIROの命が危ないんだって! 説明したはずなのに理解できてないの?)

「ボランティア活動で来たんじゃないの? まさか、不法侵入? どうやって、校舎に侵入したのよ! ここは、関係者以外立ち入り禁止なはずだけど?」
 お嬢様学校というだけあり、セキュリティーはバッチリだ。
< 205 / 320 >

この作品をシェア

pagetop