完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
玲さんは明らかに真剣に私の話を聞いていない。彼は結局婚約を解消しないと思っているようだった。妖しくほくそ笑んだ彼は私を実家まで送り届けた。
「玲さん、送ってくれてありが⋯⋯」
門の前で私が玲さんにお礼を言っていると、彼の目が私ではない何かを凝視しているのに気がついた。
玲さんの視線の先を追って振り向くと、思ってもない人がいた。
柏原家に見切りをつけて海外逃亡したと思っていた兄の博樹だ。
「お兄様? 何で⋯⋯」
「凛音、久しぶりだね。曽根崎さん、お見送り頂いてありがとうございます。次からは結構です」
玲さんは兄の言葉に何かを理解したような表情をした。
「玲さん、送ってくれてありが⋯⋯」
門の前で私が玲さんにお礼を言っていると、彼の目が私ではない何かを凝視しているのに気がついた。
玲さんの視線の先を追って振り向くと、思ってもない人がいた。
柏原家に見切りをつけて海外逃亡したと思っていた兄の博樹だ。
「お兄様? 何で⋯⋯」
「凛音、久しぶりだね。曽根崎さん、お見送り頂いてありがとうございます。次からは結構です」
玲さんは兄の言葉に何かを理解したような表情をした。