完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 その時、HIROが私にキスをしようと顔を近づけてきた。私は咄嗟に彼の肩を押し返す。
「HIROはアイドルを真剣に極める気はある? ファンに手を出すなんて最低だよ」
 私の記憶にある限り、HIROが『トライアンフ』のアンバサダーになった時はノースキャンダルのアイドルだった。アイドルにとってスキャンダルは致命傷だ。

「ファンじゃなくて、凛音には俺の恋人になって欲しい」
 いつもヘラヘラ笑っている彼の真剣な表情。ドキッとするよりも、私はなぜか苛立った。

< 261 / 320 >

この作品をシェア

pagetop