完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 兄は誕生日の前祝いだと言って、ウェディングケーキのような大きなケーキを持ってくる。
 私はスプーンでケーキを口に運びながら兄の話を聞いた。

「凛音、曽根崎玲は時を戻せる力を持っていると思う。時が戻る条件はおそらく曽根崎玲自身が凛音を殺すことだ」
 私は兄の言葉に心臓が止まりそうになった。大切な人がいて、やりたい事がある今、絶対に死にたくない。
 震える私に気がついたのか、兄がスプーンで掬ったイチゴを私の口に無理やり入れてくる。
 私は兄の突然の行動に緊張がほぐれて吹き出した。

 
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