完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
「だったら何?」

 私のオタクな趣味を見つけて、鬼の首を取ったような気でいるのだろう。
私は冷ややかな目で南野美湖を見た。
 薄茶色の彼女の瞳は私の予想に反してキラキラと輝いた。

「私のパパが『スーパーブレイキン』のマネージャーなんだ。応援してくれている人を見ると、やっぱり嬉しい」
 南野さんは興奮気味に少し涙ぐんだ。


「父親の仕事が認められたようで嬉しいの? マネージャーなんて、HIROの才能のおこぼれを貰っている乞食見たいの仕事じゃん」
 私は自分の発した言葉に寒気がした。
 本当は私の趣味を見ても引かなかった南野さんと仲良くしたかった。
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