完璧御曹司の執愛から逃げ、推しのアイドルと結ばれる方法
 懐かしい茜さんの声がして、奈美子さんが扉を開ける。そこには淡いラベンダー色のドレスを着た茜さんがいた。

「茜先輩、ご婚約おめでとうございます」
「ありがとう。凛音さん、その女子高生の制服風のコスチューム似合っているわ。もう、高校も卒業したのにね、貴方、幼いからいつまででも着られそう」
 私は茜さんの態度に違和感を感じた。彼女は柔和な態度をいつも私にとっていたが、明らかに喋り方、表情、醸し出す雰囲気に私への敵意を感じる。

「あの⋯⋯そんなにRIOを睨まないでくれますか? もう、イケメン曽根崎玲さんはあなたのものなんだから、そんな敵意丸出しにされたら祝えるものも祝えませんよ」
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