敏腕自衛官パイロットの揺るがぬ愛が強すぎる~偽装婚約したはずが、最愛妻になりました~
再会に心乱されて
広い空に向かって一眼レフカメラを構える。彩羽はひとり暮らしをしているアパート近くの公園のジャングルジムに登り、てっぺんで空の写真を撮っていた。
今日はわた雲がいっぱいだ。
彩羽はプロのカメラマンとして働いている。
東京の美大を卒業したあと大手の広告宣伝会社にグラフィックデザイナーとして就職したが、二年前に独立。中学二年生から高校生まで過ごした、ここ東松島市に戻ってきた。
幼稚園にはじまり小中学校まで、父親の転勤で日本各地を転々。最後には東松島市にやって来たが、一年ほど前に両親は離婚している。
友達ができてはすぐに離れ離れ。寂しい小中学生時代を過ごした彩羽は、その頃から空を眺めるのが大好きだった。どんなに遠く離れても、空は繋がっている。そう思うと悲しい気持ちが和らいだから。
東京では仕事に忙殺され、このままでは体を壊しかねないと両親に説得されて東松島市にUターン。ずっと胸であたためてきたカメラマンとして独立した。
本当は空専門でやっていきたいが、それだけでは食べていけない。写真に関する仕事なら可能な限り引き受けて成り立っている状態である。
今日は仕事ではなく、趣味の撮影で公園へやって来た。
「あぁ、もっと空に近づけたらいいのに」
ジャングルジムのてっぺんに登ったところでたかが知れている。東京ほどではないにしろ、仙台まで足を伸ばせば高いビルはあるが。
青い空と白いわた雲を見て、ふと一週間前の婚活パーティーで出会った透矢を思い出した。彼に連れていかれた創作料理のレストランの外観が思い浮かんだせいだろう。
割り勘と決めていたが、彩羽がトイレへ行っている隙に透矢は支払いを済ませ、結局ご馳走になってしまった。半分払うとお金を出しても、彼は頑なに拒んだのだ。
(ちょっと素敵な人だったし、楽しかったな)
今日はわた雲がいっぱいだ。
彩羽はプロのカメラマンとして働いている。
東京の美大を卒業したあと大手の広告宣伝会社にグラフィックデザイナーとして就職したが、二年前に独立。中学二年生から高校生まで過ごした、ここ東松島市に戻ってきた。
幼稚園にはじまり小中学校まで、父親の転勤で日本各地を転々。最後には東松島市にやって来たが、一年ほど前に両親は離婚している。
友達ができてはすぐに離れ離れ。寂しい小中学生時代を過ごした彩羽は、その頃から空を眺めるのが大好きだった。どんなに遠く離れても、空は繋がっている。そう思うと悲しい気持ちが和らいだから。
東京では仕事に忙殺され、このままでは体を壊しかねないと両親に説得されて東松島市にUターン。ずっと胸であたためてきたカメラマンとして独立した。
本当は空専門でやっていきたいが、それだけでは食べていけない。写真に関する仕事なら可能な限り引き受けて成り立っている状態である。
今日は仕事ではなく、趣味の撮影で公園へやって来た。
「あぁ、もっと空に近づけたらいいのに」
ジャングルジムのてっぺんに登ったところでたかが知れている。東京ほどではないにしろ、仙台まで足を伸ばせば高いビルはあるが。
青い空と白いわた雲を見て、ふと一週間前の婚活パーティーで出会った透矢を思い出した。彼に連れていかれた創作料理のレストランの外観が思い浮かんだせいだろう。
割り勘と決めていたが、彩羽がトイレへ行っている隙に透矢は支払いを済ませ、結局ご馳走になってしまった。半分払うとお金を出しても、彼は頑なに拒んだのだ。
(ちょっと素敵な人だったし、楽しかったな)