敏腕自衛官パイロットの揺るがぬ愛が強すぎる~偽装婚約したはずが、最愛妻になりました~
「んっ、おいしい……!」
口に運んでみると、どれもこれも美味である。
(せっかくだから全料理制覇しちゃおうかな)
自衛官には目もくれず、端から料理を堪能していく。彩羽はひとり暮らしをしており料理はお手のものだが、パーティーメニューになるようなものはめったに作らないため目にも口にも新鮮だ。
たまに男性が声をかけてくるが、彩羽の反応の悪さを見て早々に散っていく。中にはなにしにきたんだという白けた目を向けてくる男性もいた。
そうして食べ進めていると、少し離れたところで彩羽のように料理に夢中になっている男性がいた。
女性が声をかけるが、「すみません。今日は付き添いできただけなので」と断り、目線は再び料理へ。彩羽が見ているちょっとの間に七人の女性が儚く散っていった。
彼も彩羽と同様、ただの同行者としてここへ来たようだ。
(男性側にも私みたいな参加者がいるのね)
彼も端から食べてきたのだろう。次第に彩羽のほうに近づいてくる。
料理にばかり目をくれる彼に自然とシンパシーを覚え、つい声をかけた。
「これもおいしいですよ」
ベイクドポテトを指差すと、男性はそこで初めて彩羽のほうを見た。
(――き、綺麗なお顔)
思わず目を見開いて彼を凝視する。
理知的な切れ長の目元にすっと通った鼻梁。薄めの唇は自然と口角が上がり、好感度まで上げる。どのパーツも美しく、さらに調和がとれているため綺麗な顔立ちになるのだろう。
そのうえ背も高い。一六〇センチの彩羽とは頭ひとつ分くらい違う。今日は七センチのヒールを履いているから、彼は一八〇センチをゆうに超すだろう。
(自衛官にこんな人がいるんだ)
自衛官といえば、がっちりとした体形の屈強そうな男性というイメージが強い。それこそ熊のような感じだ。
とはいえ改めて参加者たちを見てみると、彩羽がイメージしている男性のほうが珍しいのがわかる。スーツを着ているから、ごく普通のビジネスマンにも見える人ばかりだ。おそらくそのスーツの下には鍛え上げられた肉体が隠されているのだろうが。
彩羽の挙動不審ぶりに男性が不可解そうに首を傾げる。
口に運んでみると、どれもこれも美味である。
(せっかくだから全料理制覇しちゃおうかな)
自衛官には目もくれず、端から料理を堪能していく。彩羽はひとり暮らしをしており料理はお手のものだが、パーティーメニューになるようなものはめったに作らないため目にも口にも新鮮だ。
たまに男性が声をかけてくるが、彩羽の反応の悪さを見て早々に散っていく。中にはなにしにきたんだという白けた目を向けてくる男性もいた。
そうして食べ進めていると、少し離れたところで彩羽のように料理に夢中になっている男性がいた。
女性が声をかけるが、「すみません。今日は付き添いできただけなので」と断り、目線は再び料理へ。彩羽が見ているちょっとの間に七人の女性が儚く散っていった。
彼も彩羽と同様、ただの同行者としてここへ来たようだ。
(男性側にも私みたいな参加者がいるのね)
彼も端から食べてきたのだろう。次第に彩羽のほうに近づいてくる。
料理にばかり目をくれる彼に自然とシンパシーを覚え、つい声をかけた。
「これもおいしいですよ」
ベイクドポテトを指差すと、男性はそこで初めて彩羽のほうを見た。
(――き、綺麗なお顔)
思わず目を見開いて彼を凝視する。
理知的な切れ長の目元にすっと通った鼻梁。薄めの唇は自然と口角が上がり、好感度まで上げる。どのパーツも美しく、さらに調和がとれているため綺麗な顔立ちになるのだろう。
そのうえ背も高い。一六〇センチの彩羽とは頭ひとつ分くらい違う。今日は七センチのヒールを履いているから、彼は一八〇センチをゆうに超すだろう。
(自衛官にこんな人がいるんだ)
自衛官といえば、がっちりとした体形の屈強そうな男性というイメージが強い。それこそ熊のような感じだ。
とはいえ改めて参加者たちを見てみると、彩羽がイメージしている男性のほうが珍しいのがわかる。スーツを着ているから、ごく普通のビジネスマンにも見える人ばかりだ。おそらくそのスーツの下には鍛え上げられた肉体が隠されているのだろうが。
彩羽の挙動不審ぶりに男性が不可解そうに首を傾げる。