万能フライパンで王子の胃袋を掴んだ私、求婚を断って無双する!
 こんがり焼けた肉の上に赤と黄色のパプリカをクロスさせ、摘みたてのハーブを載せる。サイドにはカボチャとカリフラワーとニンジン。粗挽きコショウをがりがりとひきながらふりかけ、事前に作っておいた赤ワインのソースをかけて完成。白い皿とのコントラストがいい。
 フライパンを拭ってパンにも少し火を通し、表面をカリッとさせてテーブルに出す。これをスープにひたして食べるのもおいしいだろう。

 カーラが呼びに行くと、彼らはすぐにテーブルに来た。
「いい匂い! おいしそう!」
 男の子は目を輝かせてテーブルにつく。
 その横に立った男性は男の子が手を付ける前に各料理を一口、味見のように食べる。

「問題ないな。お召し上がりあれ、アルバ様」
 青年の言葉で、アルバはわくわくと食べ始める。
 真っ先にお肉をナイフで切ってフォークで刺す。口に運び、目を丸くした。

「おいしいよ、エルベルト!」
「よろしゅうございました」
 エルベルトは微笑を見せた。アルバは夢中になって料理を食べ、スープを飲む。

「アルバ様がこんなに召し上がられるのは珍しい」
 エルベルトは慈愛に満ちたまなざしを向けていた。
 彼はアルバが食べる前に毒見のようにひと口食べたきりだったから、あとは警護のために食べずにいるのかもしれない。

 ということは、SPみたいな感じかな? いつごはんを食べられるのかな。
 ミアは余ったパンを薄切りにして、残っていた肉もスライスして塩コショウをかけて焼いた。別の包丁とまな板でトマトやキュウリを薄く切り、マヨネーズをかけて、チーズもはさんだ。それを半分に切って護衛の人数分だけ皿に盛り、清潔な布で包む。あとでお弁当として彼らに渡そうと思ったからだ。使用人の食事は別で用意がある。

 使い終わったフライパンなどの調理器具は清水から流れる小川で洗って干した。万能フライパンは自分以外には超重量のバーベルのように重いらしく、他の人たちが勝手に持って行く心配はない。
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