万能フライパンで王子の胃袋を掴んだ私、求婚を断って無双する!
 食べ終わったアルバはまた、護衛を連れて小川で遊び始める。
 今なら大丈夫かな。
 ミアはさきほどの包みを持ち、アルバを眺めているエルベルトにすすっと歩み寄って差し出した。

「よかったらどうぞ。ごはん、食べてないですよね」
「いらん。警護の邪魔だ。毒が入っているかもしれんしな」
「そんなもの入れてないし」
 ミアはムッとした。

「だったら自分で食べて見せろ」
「いいですけど」
 ミアは包みをほどいて、手を伸ばす。が。

「俺が選ぶ。……これにしろ」
 ふた切れのサンドイッチの片方を指定された。それを手に取り、パクっと食べる。
 しっとりしたパンに肉汁とマヨネーズがからんでじゅわっと染み渡る。レタスはしゃきしゃき、トマトはジューシー。きゅうりのぱりぱりする歯ごたえが楽しい。

「おいしい……!」
 ミアがふた口目をかじると、エルベルトの手が伸びて来た。
「毒は入っていないようだな」
 言いながら、サンドイッチを手にするとぱくりとかじる。咀嚼した彼は目を見開いたのち、性急にふた口めをかじっていた。

「うまいな。先ほどの料理もうまかった。アルバ様がたくさん食べるのも頷ける。君が作ったのか?」
「はい。喜んでいただけて嬉しいです」
「久しぶりにうまい」
 彼の目は油断なくアルバの姿を追っているが、サンドイッチをぺろりと平らげた。
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