万能フライパンで王子の胃袋を掴んだ私、求婚を断って無双する!
「嬉しい、ありがとうございます」
「僕、本気だからな!」

「気持ちだけ受け取っておきますね」
「ダメ! 帰ったらすぐにお父様にお願いするんだ」

「アルバ様」
 咎める声にそちらを向くと、エルベルトが呆れたように眉を下げていた。

「だって、ミアってかわいいよ。料理もおいしいし、変な人と結婚したくない」
「駄目です。歳がかなり離れてますし、そもそも平民です」

「僕はかまわない!」
「私は構いますよ」
 ミアはすかさず言った。こんな小さな子と婚約したら特殊な恋愛観の持ち主だと思われそうだ。現在の自分が十代後半だとしても、十歳は離れていそうだ。前世のままなら二十歳以上。もはや親子だ。

「そんなあ」
 アルバがしょんぼりするのが、申し訳ないと同時にかわいくて仕方がない。

「最近、お見合いの話があってね。それで結婚相手を気にしてるんだ」
 エルベルトの説明に、ミアは頷く。

「いい人と決まるといいですね」
「僕はミアがいい」

 ねだるような上目遣いに、ミアの心臓がずきゅんと打ち抜かれた。
 頭を撫でまわしたくなる衝動を、なんとかこらえる。いきなりそんなことをしたら変質者と思われそうだ。

「じゃあ、ミアを宮廷料理人に任命する!」
「ダメですよ、彼女はここの料理人ですから」
 エルベルトに止められ、アルバは口を尖らせる。
 ん? とミアはひっかかりを覚えた。今、宮廷って言った?
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