万能フライパンで王子の胃袋を掴んだ私、求婚を断って無双する!
「熱はないようですね。ですが念のためにしばらくは安静になさったほうが良いでしょう」
 医者がそう言うから、エリカはベッドに横になった。本当のリヴィアナの魂はもうこの体にはいないようだ。

 良かっただの奇跡だだの言い合う両親を見ながら、エリカは別のことを思う。
 救世の聖女。世界を浄化して、王子を選ぶ。これって王子と結婚するフラグじゃないの?

 そう思う脳裏に、見たことのないはずの王子の姿が浮かぶ。リヴィアナの記憶だろう。
 素敵。今まで見た中で最高の男だわ。私にふさわしい。

 リヴィアナは伯爵令嬢。王宮に行く機会もあるだろう。
 自分が聖女であることをどうやって知らせたらいいのだろう。聖女です、といきなり名乗っても信じるわけがない。

 それでも自分には神がついている。きっとうまくいくはずだ。
 神に与えられた毒スキルを使ってこの世を浄化したその後。
 王子と教会で盛大な結婚式を挙げる。ふたりで祝福に包まれる姿が目に浮かぶようだった。

***

 後日、ミアのもとにはアルバからの手紙が届いた。
 標準装備で文字を読めるようにしておいてくれた女神に感謝しつつ、手紙を読む。
 と、予想外のことが書いてあり、慌ててカーラに会いに行った。

 リビングで老眼鏡をかけて本を読んでいた彼女は、ばたばた走って来たミアに目を向ける。
「そんなふうに走ってはいけませんよ」
「すみません、でもこれ!」
 手紙を差し出すと、カーラはそれを読んで驚きの顔をミアに向けた。
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