万能フライパンで王子の胃袋を掴んだ私、求婚を断って無双する!
「私の家にいらっしゃる? いいわよね、あなた」
「またお前の世話焼きが始まったな」
 フィエロがくすりと笑う。

 これで、自分がこの場に現れた理由がわかった。この老婦人が世話焼きで、とりあえずの住まいが確定する女神の目論見だろう。彼らがフライパンを忘れたのも女神のせいかもしれない。
こうしてミアの新たな人生が始まったのだった。



 フェルギーニ夫妻に連れていかれたミアは、豪邸に驚いた。案内された客室も豪華だった。
 カーラたちはやはり貴族で、子爵とのことだった。
 客室のソファに座り、うーん、と悩む。
 死んだ実感は、ない。こうして生きているのだから。

 今後をどうしたらいいのだろう。
 どうせなら初期設定で家とかほしかったけど、神だから気が回らないのかな。神と言いながら、この世界のことをどこまで知ってるのかな。
 でも家が固定されてしまうとかえって困るのかもしれない。働きに出ないといけないだろうし、用意された家の近くで仕事があるとも限らない。
 そもそもこの世界で自分がなにをできるのだろう。

「一生生活に困らないお金が出て来る袋、とか言えばよかった」
 ため息つくが、もう遅い。でもお金が出て来る袋なんて悪人に狙われそうだし、貨幣偽造で捕まったら嫌だし。
 チートスキルがあるわけでなし、あちらですごい知識を持っていたわけでなし、どうしたものか。

 鏡を見ると、若返っていて驚いた。今の自分は十七歳くらいの姿をしている。なんでこんな中途半端な、と思うが、あの女神はいい加減そうに見えたので、いい加減なことをしたのだろう。もしかしたらサービスのつもりかもしれない。美人になってはいないのが残念だ。あと、日本の神のところに遊びに来たらしいが、それが八百万の神だったのかどうか、気になる。いろいろツッコミどころがあるが、ツッコんだら負けかもしれない。
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