万能フライパンで王子の胃袋を掴んだ私、求婚を断って無双する!
 翌日、カーラに今後を相談したところ、雇ってもらえることになった。住み込みの女性使用人はすでにひとりいるが、もうひとりほしいと思っていたらしい。
 ありがたく提案にのり、使用人部屋に移った。
 先輩であるデルフィーナ・フレージは中年で、夫に先立たれたのだという。ふたりともきれいなひとり部屋を与えられていて、これは使用人としては破格の待遇らしかった。
 通いの使用人とともに毎日、掃除、料理、たまに洗濯をして過ごす。

 フライパンで作る料理はなにもかも絶品となり、ミアがごはん担当となった。
 料理は嫌いでコンビニ弁当ばかりだった。そんな自分がこれほど料理をすることになるとは、思ってもみなかった。
 すべてはフライパンのおかげだ。だからそれを使わないメニューはデルフィーナのほうがうまい。
 このフライパンをもらっておいてよかった。自分以外には使えないが、そのおかげで必要とされている。

 小料理屋を開いては、とカーラに言われたこともあったが、いろいろ考えた末にあきらめた。フライパンひとつできりもりできるほど料理が作れるとは思えない。
 小料理屋はやらないと言ったら、カーラたちはほっとしていた。おいしい料理をこれからも食べられる、と嬉しそうだ。

 喜んでもらえているのが嬉しい。このままここで生きていこう。
 ミアがそう思っていた矢先、予想外のことが起きた。
 身分の高い人が、フェルギーニ夫妻の領地にピクニックに来ると言う。
 その際の料理を、ミアが任されたのだ。
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