転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
「私はむしろ、好ましく思います……。醜い感情をいだいているのが、自分だけではないと言ってもらえたような気がして……」
「よかった」
彼はほっとした様子で普段の無表情に戻ると、私から身体を離す。
それに名残惜しさを感じるのは――気の所為だと思いたかった。
「絵を嗜む君からしてみれば、王城はなんの面白みもなかっただろう」
「――いいえ。ディルクさんが王城のみなさんから、どんなふうに思われているのか知ることが出来ました。来て、よかったです」
「そう、か」
「はい」
ディルクさんはどこか遠くを見つめながら、疲れたように笑った。
彼が善人ではないと知っても嫌悪感をいだかずに済んだのは――人は誰しも、醜い心を持っているからか。
それとも、また別の要因か……。
「むしろ、殿下の印象を考え直す──いいきっかけになったと思います」
私の言葉を聞いたディルクさんは不安でいっぱいになっているようだ。
聞き取りづらい声で、ポツリとぼやく。
「よかった」
彼はほっとした様子で普段の無表情に戻ると、私から身体を離す。
それに名残惜しさを感じるのは――気の所為だと思いたかった。
「絵を嗜む君からしてみれば、王城はなんの面白みもなかっただろう」
「――いいえ。ディルクさんが王城のみなさんから、どんなふうに思われているのか知ることが出来ました。来て、よかったです」
「そう、か」
「はい」
ディルクさんはどこか遠くを見つめながら、疲れたように笑った。
彼が善人ではないと知っても嫌悪感をいだかずに済んだのは――人は誰しも、醜い心を持っているからか。
それとも、また別の要因か……。
「むしろ、殿下の印象を考え直す──いいきっかけになったと思います」
私の言葉を聞いたディルクさんは不安でいっぱいになっているようだ。
聞き取りづらい声で、ポツリとぼやく。