転生聖女は、ユニコーンと逃げ出した
 ――私の描いた絵画を視界に捉えた直後幻覚に囚われ、罪を告白したあと自滅する。

 そんな光景を目にしたら、本当にこれが私の聖なる力なのかとにわかには信じがたい気持ちでいっぱいになった。

 カルトンやディルクさんに聞かされた時から、ずっと思っていたけれど。
 これは人の苦しみや悲しみを引き出すなんて、そんな生易しい言葉で片づけられるような異能ではない。

 何があっても絶対に、たくさんの人の目に触れさせてはいけないものだ。

 小さな絵1枚で人間を破滅に導けると知ってしまった以上、負の感情に支配された状態で大きな絵を描こうものなら――私はたくさんの人を傷つける。
 その事実に愕然とし、恐怖で震えが止まらなかった。

「わ、私の……。描いた、絵が……」
「シエル」
「こんなことに、なる、なら……」
「気に病む必要はない」

 筆を取ってはいけないんじゃないかと恐る恐る口にすると、ディルクさんは首を横に振ってそれを否定してくれた。
 その後、怯える私を優しく抱きしめる。
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